Text / Rie Miyata
宮田理江
(ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター)
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。
夏のイメージが強い白パンツですが、実は秋らしい着こなしにもマッチします。白パンツ特有のさわやかなイメージがあるのに加え、秋冬のレイヤードではイノセント感や誠実さも印象づけてくれるから、グッドセンスのコーディネートに整います。重たく見えやすいコートルックに抜け感を添える効果もあり、秋冬ルックをこなれた格上げムードに演出できます。
リブホールガーメントニット ¥17,500(+tax) BUY
ツイードウールキュロット ¥18,000(+tax) BUY
ツイードウールキュロット ¥18,000(+tax) BUY
スカートまで女っぽくなく、スリムパンツほど素っ気なくもないから、キュロットは絶妙な立ち位置のボトムスです。おすすめのレングスは足首が見える丈。スカート感覚で使いこなせます。パンプスでもフラットシューズでも、どちらで合わせても足首がのぞく分、抜け感が漂います。センタープレスを施してあると、折り目がきちんと感を醸し出すので、お仕事ルックにも着回しが利きます。
トップスはニットで合わせて、やさしいムードを寄り添わせたり、ライダースジャケットでクールに仕上げたり。パンツの白を引き立てる、濃いカラーとのコーディネートがすっきりした印象を与えてくれます。
もっと秋が深くなったら、ブーツを投入して、シックなムードに様変わりさせて。キュロットは裾が広がって見えると敬遠する人もいますが、こちらは少し細身のシルエットだから、シャープな着姿に映ります。
サキソニーウールワイドパンツ ¥25,000(+tax) BUY
サキソニーウールワイドパンツ ¥25,000(+tax) BUY
ボリュームのたっぷりしたオーバーサイズは今度の秋冬にもブームが続きます。持ち味の落ち感を、エレガントな白ワイドパンツが引き立ててくれます。ゆったりと着余ったフォルムのウエアが白ワイドパンツに重なって、のどかな景色に。
ざっくりしたニットの裾から、着丈が長めのカットソーをあふれさせるだけで、縦長のレイヤードに仕上がります。白系カラーで少しずつトーンを変えると、ワイドパンツを組み込んだ丈違いレイヤードに整えられます。白パンツをキーピースに据えると、節度や気品を感じさせる、トレンドコーデが完成。
サキソニーウールワイドパンツ ¥25,000(+tax) BUY
カシミヤショールコート ¥150,000(+tax) BUY
秋冬コーデの主役になるアウターとも、白パンツは素敵なハーモニーを奏でます。優美なコートは装いの「顔」的存在ですが、白パンツで合わせると、軽やかな見え具合に。ダークカラーのボトムスに比べ、重たさをオフできるうえ、ノーブルな着映えに導いてくれます。
アウターの素材感を引き立ててもらえるのも、白パンツで合わせるメリットです。とりわけ、カシミヤで仕立てたコートのように、上質な風合いを備えたアウターは、白パンツにかぶせて羽織ると、クラス感がぐんとアップします。コートのフロントを開け気味に着た場合も、白パンツが程よくのぞいて、コートのリュクス感を引き立ててくれます。
この秋冬は「ボリューム」がおしゃれの合い言葉になりそう。ファーアイテムやマフラーで、上半身にたっぷりと量感をこしらえると、トレンド感を呼び込めます。その際に気を配りたいのは、ボトムスとのバランスです。
上半身にボリュームを持たせた分、腰から下は落ち感やプレーンさを意識して。穏やかなシルエットの白パンツはボリュームアイテムと好相性。たとえば、ふわふわした表情が今年らしいエコファーベストと組み合わせて、ファーの風合いを際立たせるコーデを組み立てられます。パンツに裾がかぶさる丈のロングベストはこの量感コントラストにうってつけです。
首周りにソフトな量感をもたらすニットマフラーもトレンドアイテムに浮上してきました。カシミヤの上品な質感は顔にも気品を添えてくれそう。リブ編みと天竺編みという2種類の編み地が切り替えてあるタイプは装いにリズムを乗せる効果も。
白パンツと組み合わせて、ホワイトカラーを着姿のベースにすれば、イノセントな風情もまとえます。近い色味でまとめるワントーンやニアカラーがファンを増やす中、「マフラー×パンツ」の白系コーデも試したくなります。
(c)Rie Miyata
こちらは、上下そろってオーバーサイズのニットとパンツでコーデしたおしゃれ上級者です。ニットトップスは袖がスーパーロング、パンツも裾が床に届きそう。かなり本気度の高いオーバーサイズでも、だらしなく見えず、むしろかっこよく仕上がっているのは、白パンツのおかげ。白ならではの上品さや清潔感、穏やかさなどが着姿に格上感を寄り添わせています。ノーアクセサリーを選んだのも、フォルムで主張するうえで賢い判断。ゆるやかなシルエットが生きて、肩の力が抜けたエフォートレスな着映えに整っています。
無垢感や誠実さ、自然体などのキャラクターイメージも連れてくるホワイトルックはお仕事ルックにも生かせます。重たく沈んで映りがちな秋冬ルックをすっきり見せてくれるから、切り札的なツールで白パンツをコーデに取り入れてみてください。