ベーシックなシャツは、ワードローブに揃えておきたい王道アイテム。キレイめの着こなしにはもちろんのこと、エフォートレスに着崩してもサマになる守備範囲の広い 一着に出会えたら、スタイル偏差値はぐっとアップするはず。だからこそ吟味して作りました。
パリっとしたコットンブロード地は、『トーマス メイソン』のもの。1976年に英国で生まれた、シャツ生地の名門ブランドです。縫製は、丁寧なハンドフィニッシュを得意とする日本の工場にオーダー。全体のステッチは針目を細かくして、ドレスシャツのような風格に。前立てや襟はステッチレスにして、ミニマルですっきりとした印象に仕立てました。また、裏側もぜひチェックを。外からは見えない部分ではありますが、すべての縫い目を袋縫いにして、見た目の美しさにこだわりました。
シルエットはメンズライクなオーバーサイズで、ゆとりのある身頃やドロップショルダーがこなれたムードを醸し出します。それに比べてアームホールはほっそりとデザインしてあるので、どんな体型の方が着こなしてもほどよい女性らしさはキープ。白蝶貝のボタンも、クリーンなムードを後押しします。
ハイクオリティなシャツ生地の代表格として知られ、英国王室御用達の称号も得ている『トーマス メイソン』。今回選んだブロード地は、細番手の糸を高密度で織りあげてあり、しなやかさと丈夫さに定評があります。とは言っても、生地の風合いや着心地に重さはナシ。また、シワになりにくく型崩れしにくい生地なので、忙しい朝にもつい手に取ってしまう一枚になりそうです。
トレンドのオーバーサイズに仕立ててありますが、単にサイズ感が大きいだけではルーズすぎたりメンズっぽさが強く出たり。そんな見え方を回避するべく、細身のアームホールに加えて、襟の高さや大きさ、丈、袖の立体感などにこだわりました。端正だけど堅苦しさはなく、モダンで抜け感のある風情が持ち味です。襟元をオープンにした時の開き具合ももちろん計算済みです。