Text / Rie Miyata
宮田理江
(ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター)
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。
夏の盛りを迎え、少しでも涼しい服を選びたくなる時季です。シーズンを少し先取りした、「ガリャルダガランテ」の2019年秋冬プレコレクションでも、今から着たくなるノースリーブのトップスをオンラインストアに取りそろえました。夏に重宝するだけでなく、秋から先も長く着られるから、賢い選択の候補に。今回は、ノースリーブのトップスを素敵に着こなすコツをご紹介します。
まだ暑い時期にうれしいのが、程よく空気が通りやすいトップスです。ノースリーブ自体がさわやかな着心地ですが、ウエストアウトして着る裾にサイドスリットが切れ込ませてあると、さらに風通しがよくなります。エアリーな動きが出るのに加え、体を動かしやすくなるので、オフィスでも快適に過ごせそう。見た目にシャープな印象が強まるのも、トップススリットのよさです。
目立ちすぎないチェック柄が穏やかな雰囲気を生んでいます。着丈が前後でずらしてあり、背中側が長めなので、横や斜めから見ると、縦落ち感が出る仕掛け。袖はノースリーブでも、首周りが詰まったクラシカルな形だから、ゆるく見えにくいシルエットです。センタープレスをきかせたパンツできれいめに合わせるコーデにもマッチします。
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ノースリーブのトップスを、大人っぽく着るには、ネックゾーンの演出が決め手になります。程よいボリュームのタートルネックは、小顔効果も期待できます。ネック部分を折り曲げたり、くしゅくしゅにたるませたりと、自在のアレンジを組み立てられます
サマーシーズンは着る服の点数が減るから、靴の存在感が強まります。裾にスリットを切れ込ませたパンツは軽やかなムードを足元に呼び込んでくれます。ショートブーツやストラップ付きパンプスなど、雰囲気の異なるシューズでキャラクターを演じ分ければ、着回しパターンも増やせます。
首周りにボリュームがある分、ボトムスはシャープなタイプで合わせると、スレンダーな印象が際立ちます。スリムなパンツやタイトスカートが絶好のパートナーに。モノトーンカラーは引き締め効果を強調してくれます。袖がないおかげで、すっきりとした縦長の着映えに。大ぶりバッグを添えるのも、細感を引き出す小技として効果的です。
スリットサテンスキニーパンツ ¥21,000(+tax) BUY
コンパクトなシルエットのノースリーブでも、上下がそろったセットアップで着れば、シックな着映えに整います。スーツほどにはかしこまって見えにくいので、オフィスでの装いにも重宝します。2019年秋冬有望のトレンドモチーフとして有望になっている、英国調のチェック柄は、節度や大人っぽさを醸し出すから、セットアップと好相性です。
一般的なノースリーブよりも、ずっと「きちんと感」が出ているのは、端正なシルエットと、落ち着いた色味の細かい格子模様だから。よく見ると、正面と両脇の身頃で生地を切り替えてあり、全体が単調に見えない工夫が施してあります。スカートもやや斜めに打ち合わせてあるので、こなれた見え具合に仕上がります。
着方の工夫ポイントは、トップス裾の始末。ウエストアウトして伸びやかに見せるか、ウエストインして脚を長く見せるかといった、チョイスが可能です。ウエストインする場合も、ウエストの上あたりを少したるませて、着痩せ効果を引き出す小技が使えます。
チェックスタンドノースリブラウス ¥15,000(+tax) BUY
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両肩が露出するノースリーブは、健康的なイメージを印象づけてくれるトップスでもあります。素肌の透明感を引き立てるには、はっきりした色を選ぶのも効果があります。トップスと肌の境目がくっきりして、めりはりのついた着映えに整えられます。
秋冬からトレンドカラーと期待されている色に、パープル系があります。濃い紫は扱いの難しいところがありますが、こちらのような淡いトーンなら、ずっと取り入れやすいはず。そして、来秋冬の注目カラーもライラックやモーブ、ラベンダーと呼ばれる、このやわらかい紫系なのです。秋を前に、夏のうちから先取りしておくのは、上手な付き合い方と言えるでしょう。
リブ編み系のニットトップスは、自然とボディになじんで、コンパクトな上半身を強調してくれます。縦に走る細かいリブも、シャープなイメージを寄り添わせます。タイトスカートを引き合わせて、全体をほっそりとまとめつつ、色のコントラストを際立たせるのが上手なコーデになります。
リブスタンドノースリニット ¥13,000(+tax) BUY
どんなシーンでも浮かないから、黒のノースリーブは出番が絶えません。コーデの組み合わせにも困らない万能選手は、夏は1枚で、秋冬はレイヤードで着られる、本当に便利なウエア。秋冬にはノースリーブのトップスが出回りにくくなるので、夏のうちに買い足しておくのが賢いショッピング術です。
黒は引き締め色の代表格であるのに加え、ニットがかさばりを防ぐので、上半身がタイトに映ります。細感をさらに引き立てるには、ボリューミーなスカートをパートナーに迎えましょう。
このようなプリーツスカートを選べば、量感が生きて、めりはりのきいたシルエットに。裾のラインが斜めに走るアシンメトリーはエレガントなムードに誘います。ニットトップスとスカートの異素材ミックスが、装いの表情を深くしています。
リブスタンドノースリニット ¥13,000(+tax) BUY
(c)Rie Miyata
正面に深く切れ込んだVラインを生かした、ノースリーブ・トップスです。大きなハトメがアイキャッチー。締めひも(レース)を長く垂らして、さらに縦長効果を引き出して。ボリュームのあるスカートと合わせても、すっきり見えているのは、落ち感を帯びたトップスのおかげ。愛らしいギンガムチェック柄も、黒トップスの効果で大人っぽい風情に。差し色の赤いシューズがアクセントとして効いています。
前後の丈違いやオフネック、セットアップ、リブ編みなど、それぞれに工夫を凝らしたノースリーブ・トップスは、涼やかに着られるのに加えて、重ね着にも向いているのでコーデの選択肢も広げてくれます。品数の豊富な夏のうちに見付けておくのが、賢いおしゃれ支度と言えそうです。
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