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PROFILE
Text / Rie Miyata
宮田理江
（ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター）多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。
秋おしゃれの切り札、レイヤードの成功方程式 縦長ラインの作り方
秋おしゃれの切り札、レイヤードの成功方程式 縦長ラインの作り方
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いよいよ秋本番を迎え、レイヤードを楽しみやすい時季になってきました。大人にふさわしい重ね着は、落ち感を意識して、きれいめに仕上げるのがスタイリングのポイント。縦長シルエットをつくるイメージで着こなすと、細感と上品さが備わります。「ガリャルダガランテ」の新作アイテムから、今年らしいコーディネートの組み立て方を先取りチェックしていきましょう。
(c)Rie Miyata
ガリャルダガランテのこの秋冬コレクションのテーマは「ロンドン」。ちょうど、私は９月のロンドン・ファッショウィークで、ほやほやのおしゃれスナップを撮ってきました。こちらのファッション業界の女性はカナダ・トロント在住で、お仕事でロンドンに来ていたそう。着用しているニットは「UNDERCOVER（アンダーカバー）」の2019年春夏コレクションのもので、デヴィッド・ボウイを追い続けた写真家にフォーカスしたコレクション。ニューヨークに行ったときにデパートで購入したそうです。タートルネック（ハイネック）の上から、プルオーバーを重ねるレイヤードは、伸びやかさと縦長感がダブルで手に入る組み合わせです。無地やモノトーンで、穏やかな見え具合にまとめるのも手ですが、インパクトを強める選択肢もあります。ネオンカラーのタートルネックと、ロックモチーフのプルオーバーをマッチング。さらに、赤系のワイドパンツで合わせて、パンチを利かせた装いにまとめ上げました。ロンドンらしさをアピールしつつも、大人女性ならではのエフォートレスを感じさせるコーデは参考になります。
重ね着をかさばらせないで、縦長イメージにまとめるのが、この秋冬らしいレイヤードの流儀。上手に組み合わせれば、着痩せ感まで引き出せるから、「ガリャルダガランテ」の秋アイテムで賢いスレンダーコーデを試してみませんか。
着丈をずらして「長短レイヤード」に
縦長に見せるレイヤードのコツは、着丈の違いを際立たせるところにあります。つまり、裾のラインをトップスとアウターでそろえてしまわない「長短ずらし」のスタイリングです。アウターのほうをロング丈にしてしまうと、トップスがすっぽり隠れて、レイヤードに見えにくくなってしまいます。内側に着るアイテムのほうを、アウター裾からあふれさせる「長めトップス×短めアウター」のコンビネーションを組み立てましょう。
オーバーサイズのシャツは、前後で着丈が違っていて、背中側が膝裏に届くほど長いので、「長短レイヤード」にうってつけ。プレーンな印象の白トップスと、ソフトな風合いのざっくりニットは好対照。重ね合うアイテム同士は、色や質感を思い切ってずらすのが正解です。ケーブル編みが印象的なニットジャケットが絶好のパートナーに。細身パンツをブーツインすれば、いっそうスレンダーなレッグラインが引き立ちます。
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「透け感×光沢」のハーモニー
素材感の違いを生かすと、レイヤードルックに深みが生まれます。たとえば、ニットとサテンなら、光沢の有無がくっきり。透ける生地と透けない素材、布地とレザーといった、コントラストのはっきり出やすい組み合わせは、着姿に立体感を加え、表情を深くしてくれます。
モヘア糸のニット・プルオーバーは、ほんのり透ける編み地だから、見た目も軽やか。複数の糸色を使っているので、味わい深い色味に仕上がっています。オーバーサイズのシャツに重ねると、シャツがうっすらと透けて、さわやかなレイヤード景色に。シャツのあふれもきれいに見えます。
手首周りでたるんだ、たっぷりの袖ボリュームがヌケ感を演出。レイヤードを引き立てているのは、サテンパンツのつややかさ。脚の動きに連れて、光沢が揺れるから、優雅なたたずまいに。シャツ、ニット・プルオーバー、パンツで、それぞれに風合いを変える「トリプルレイヤード」が秋ルックを趣深く演出しています。
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「ふんわり×アクティブ」のミックス
トップスの選び方次第で、レイヤードの雰囲気が様変わりします。いくつものパターンで、着回しが利くから、覚えて損のないテクニックです。たとえば、シャツをタートルネック・カットソーにスイッチするだけで、伸びやかな風情にシフト。スポーティなムードも加わります。
先のルックと同じ、モヘア糸で編んだシアーニットに、今度はタートルネックを引き合わせました。シャツより短い着丈だから、カットソーより長いニットの透け加減が一段とはっきり。長短レイヤードの魅力である縦落ちイメージが強まっています。透け感があるおかげで、インナーのタートルネックとの異素材コントラストが生まれます。
ボトムスはストレッチパンツで引き締めました。正面に切れ込ませたスリットが軽やかな見え具合。黒ボトムスをバックに、モヘヤのふんわり質感と透ける編み地が際立つ仕掛け。どこ角度から見ても、レイヤードの縦長効果が感じられるコーデです。
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「ロング×ロング」で縦長ルックに
重ね着のバリエーションがぐっと広がってきました。目新しいアイテムを取り入れると、レイヤードの着回しレパートリーがさらに豊かに。たとえば、ジャンパースカートを組み込めば、縦長シルエットにまとめやすくなります。ウエストを共布ベルトで絞れるタイプは細感を引き出すうえで効果的です。
着丈が長めのジャンパースカートを主役に据えて、さらに上下に長さを加えるピースを引き合わせましょう。タートルネックのプルオーバーは、細長いイメージを強調するうえで、またとないパートナーアイテムに。着こなしのポイントは、ジャンパースカートと色をはっきり変えるところ。ジャンパースカートのＶネックが生きて、すっきりした着映えに仕上がります。
ボトムスもロング丈を選べば、落ち感が際立ちます。ジャンパースカートは単体でも十分にかわいらしさがありますが、ワイドパンツを重ねると、さらに互いを引き立て合って、素敵なミックスコーディネートにまとまります。フェミニンとマニッシュが交差して、おしゃれ感もアップ。しかも、スカートの裾下にパンツ裾がのぞいて、脚長効果を発揮。着姿が重たく見えがちな秋冬にうれしいロングシルエットが手に入ります。
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「ニットアップ×コート」で進化系落ち感コーデ
ニットの表現力は、シーズンを重ねるごとに、高まる一方です。近年のヒットアイテムは「ニットアップ」とも呼ばれる、ニット仕立てのセットアップ（上下そろい）。これまでのスーツに比べ、ずっと穏やかな着映えに加え、ボディを締め付けないソフトな着心地。ロングベストはジャケットとはひと味違う、しなやかな見え具合に導いてくれます。
ノースリーブのロング丈ニットベストは、まるでタイトなワンピースのよう。ボディにしんなり沿うシルエットがフェミニンを薫らせます。サイドに施された深めのスリットがシャープな印象を呼び込みます。同じ素材のニットパンツとのコンビネーションはしなやかですっきり。ベストの長い着丈が生きて、「ロング×ロング」のコーデに仕上がっています。
程よくつやめきを帯びたリブニットは、流れ落ちるようなボディラインを印象づけてくれます。寒い時期にはロングアウターをオン。アウターとのボリューム差が際立って、細感がくっきり。パンツも正面にスリットが入っていて、ロングコートを羽織ったときも、裾からちらりと脚がのぞきます。着姿にリズムが加わり、視線を足下に引き込んでくれます。
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