Text / Rie Miyata
宮田理江
(ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター)
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。
きれいめでクラシックな装いが再評価されている今春夏に取り入れたいキーアイテムは、ジャケットとパンツスーツです。かしこまった着方はもう昔の話。今ではお仕事ルックにとどまらない、オン・オフ兼用が当たり前に。そこで、今回はジャケット姿を新鮮に見せるコーディネートプランを一挙に5案もご紹介。ジャケットやパンツスーツで組み立てる春からのコーデが楽しくなりそうです。
ネイビーのブレザー、いわゆる「紺ブレ」は、プレッピーやトラッドの代名詞的なアイテム。パンツで合わせるのがおなじみですが、フェミニンな花柄スカートをパートナーに迎えると、別の表情を引き出せます。
打ち合わせがダブルブレストだから、前を開けて着ても、ルーズに見えません。内側に着た、ボーダー柄のカットソーがしっかりのぞいて、かえってこなれた着映えに。ボーダーと花柄の「柄on柄」が軽快でグラマラスなたたずまいに導いてくれます。
モヘア混のウールポプリン素材は、上品で穏やかな風合い。正統派仕立てのテーラードジャケットは、品格が備わっているから、自在の着回しが可能な重宝ウエア。
シルエットから細部まで、マニッシュな造りだから、たおやかなスカートとのジェンダーミックスが引き立つ仕掛け。長く着続けられるタイムレスなデザインです。同じ生地で仕立てたスラックスパンツとのセットアップで合わせれば、きちんと感もしっかり演出。柄入りスカートとの使い分けで、幅広いシーンに対応できます。
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上の写真と同じジャケットですが、色が違うだけで、こんなにムードが様変わり。人気の続くベージュ系カラーは穏やかな人柄を印象づけてくれそう。落ち着きや品格も備わるから、お仕事ルックとしても申し分ありません。
ブレザーらしいゴールドのボタンがエレガントなアクセサリーのような見え具合。さらに、ゴールドネックレスを添えて、きらめきを響き合わせると、格上の着こなしに仕上がります。同じ素材のパンツでセットアップに整えると、やわらかい雰囲気のスーツコーデに。
堅苦しさを遠ざけるのが、今年らしいスーツの着こなしです。だから、トップスはシャツに代えて、ニットトップスをチョイスして。休日はTシャツを使って、いっそう気負わないテイストに。逆に、気品を薫らせたい日はボウタイ・ブラウスで合わせれば、いくつもの表情で着回せます。
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全体を同じ色でまとめる「ワントーン」のコーデは人気が衰えません。ジャケットを使ったワントーン・コーデは、ジャケットならではのシャープでキリッとした雰囲気が魅力。色味を統一することによって、ジャケットルック特有のハンサムムードが濃くなります。
オールホワイトの装いがブームになりましたが、春からの季節に試したいのは、やさしげテイストを帯びた淡いベージュ。白との相性にも優れているから、白トップスと組み合わせて、「ほぼワントーン」に整えると、完全なワントーンよりもこなれて映ります。
今春夏からの世界的テーマは「ナチュラル」。サステナビリティー意識の高まりが背景にあります。リネンは天然素材のよさを感じ取りやすい生地です。ライトベージュとの組み合わせは、オーガニックなムード。春らしい着映えに仕上がります。
パンツスーツにあえてサンダルで合わせると、抜け感が生まれます。少しオーバーサイズ気味のジャケットは着丈が長めの分、くつろいだ風情。同じ素材で仕立てたショートパンツやタックパンツと組み合わせて、セットアップにまとめても、スーツのようなカッチリ感が出にくいので、お仕事ルックに加え、オフでの出番も十分に見込めます。
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もともと紳士服に由来するせいで、ジャケット姿は端正なたたずまいが持ち味です。このマニッシュ感を少しずらしてやると、ぐっとこなれた着映えに。最も手軽な工夫は、ジャケットの上からワンアイテムを重ねるアレンジです。
たとえば、ケーブル編みのニットを、ストールのようにジャケットの上から掛けるだけで、着映えが一変。肌寒いときはくるりと首に巻けば、そのままストール代わりにもなります。
セットアップにショートパンツを組み込むのは、今春夏のトレンドコーデ。見慣れたロング丈パンツとは違って、スポーティな印象にシフト。おそろいのショートパンツを合わせれば、大人っぽくまとまります。
ナチュラル感がテーマになる今春夏はグリーンがキーカラーに急浮上。リネン生地になじむ、淡いグリーンは癖が強くないから、手持ちウェアとのマッチングにも重宝します。ショートパンツと合わせたら、足元はフェミニン靴でバランスを整えるのが出番を増やす賢いコーデです。
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襟付きのスタンダードなジャケットに比べ、ノーカラー(襟なし)のタイプは、気負いを感じさせない着映えに整います。光沢を帯びたサテン生地のジャケットは、しなやかで優美なイメージが寄り添います。こちらの生地は特殊加工を施して、ヴィンテージ感を引き出してあるので、一段とこなれた雰囲気にまとまります。
キャメルカラーはベージュや白との相性がよいので、少しずつ色をずらして、アンサンブル風に着こなせます。キャメル&ベージュ系を2、白を1のレシピで配合すると、白が全体を引き立てるさわやかコーデに。
襟なしタイプは首周りがかさばらないから、まだ寒い春先にはコートの内側に着てももたつきません。暖かくなってからもカーディガン感覚でサラッと羽織やすく、夏を含めてほとんどオールシーズンでき続けられる、出番の多いジャケットです。
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(c)Rie Miyata
パンツスーツを休日に着こなすのなら、遊び心を取り入れて、表情をガラッと変えたいところ。トップスにTシャツ、足元にスニーカーを選んで、スポーティで軽快なテイストにアレンジ。ミニバッグを携えて、大人かわいい感もミックス。パンツ裾のロールアップもアクティブな印象。赤いベルトの差し色も利かせました。
春はまだ冷え込む日が珍しくないから、ジャケットを軸に据えた防寒コーデが便利です。新発想のジャケットはオンとオフの兼用が前提なので、オールマイティーに着回しプランを組み立てられます。お仕事シーンでのイメージを自在に印象づけやすい点でも、新タイプのジャケットは頼りになります。
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