Text / Rie Miyata
宮田理江
(ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター)
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。
本格的にテレワーク(在宅勤務)が続き、家で過ごす時間が長くなる人も少なくないようです。離れた家族や友達とオンラインで言葉を交わす機会も増えてきました。そんな中、ニーズが高まって着たのは、テレビ会議やビデオチャットで着映えるトップスです。主に上半身が映るので、印象的なトップスはその人のイメージも左右する存在に。着ている本人の気持ちが盛り上がり、画面越しに見ている相手もハッピーにしてくれそうな、最新トレンドを生かしたおしゃれトップスを取り入れてみませんか。
鮮やかなイエローは、顔周りまでポジティブに見せてくれます。たっぷりしたドレープが優美な「袖コンシャス」は腕をきれいに印象づけます。しかも、締めつけられないから、着心地が楽。風が通るので、夏も涼しく過ごせます。
身頃にもギャザーが施され、上品な見え具合に仕上がりました。ギャザーは背中側にもしっかりあしらわれていて、アイキャッチーなバックショットに。ほのかに透けるシアー生地で仕立ててあり、肌当たりもさわやかです。
細部まで工夫されたチュニックのおかげで、すっきりしたシンプル寄りのパンツと合わせても、適度に華やかなムードに。両サイドに深めのスリットが入っているから、裾の正面だけウエストインしたり、前を開けて羽織り物として着たりと、様々な着こなしバリエーションが楽しめます。
シルクライクな質感だから、エレガントなつやめきを帯びています。ヒップまで隠す丈感があり、きれいな落ち感が備わっているのも、オーバーチュニックのいいところ。自然な着痩せ効果も発揮してくれます。
ギャザーオーバーチュニック ¥24,000(+tax) BUY
【HERITANOVUM】ワイドパンツ ¥32,000(+tax) BUY
シンプルなアイテムに、ディテール加工で表情を加えるのが今春夏のトレンドです。こちらのシャツは、1枚で着ても、抜群の着映え力。決め手は身頃の正面で目を惹くツイスト(ねじり)です。
立体的なツイストがお腹周りを見事にカバー。ねじった部分が盛り上がっている分、細感が生まれました。椅子に座ったときにもおしゃれ見えします。
シャツ全体に配したストライプの効果で、すっきりシャープに見える仕掛け。トレンドのシアー素材でもきちんと感をキープ。直線的すぎない自然体のストライプは、こなれた雰囲気を呼び込んでいます。フロントスリット入りのスカートで合わせれば、さらにスマートに見せられます。
ノーカラー(襟なし)の伸びやかなネックラインがリラクシングなたたずまいを引き立てています。背中側をウエストアウトすれば、前後のアシンメトリーが生きて、縦長感がアップ。着心地が軽いおかげで、夏にも重宝する新顔シャツです。
今春夏のキーモチーフは植物柄。ナチュラルムードが盛り上がり、グリーン系はトレンドカラーに浮上しています。
色とりどりの花柄で埋め尽くしたブラウスは、無意識のうちに心をときめかせてくれます。ハッピー気分を服でまといたい、今のおしゃれマインドにもマッチ。花柄の代名詞的な、英国の「リバティプリント」を使っているので、品格とフェミニンが同居。原料は再生繊維100%で、エコやサスティナビリティーに配慮されています。
二の腕部分に、たっぷりとラッフル(フリル)が添えられて、スタイルアップにも一役買ってくれそう。ロマンティックなブラウスの裾を、センタープレスのパンツにウエストインして、上下で甘辛ミックスを印象づけて。ハイウエストが脚を長く見せてくれます。
【HERITANOVUM】ワイドパンツ ¥32,000(+tax) BUY
花柄とボリュームに、適度な華やぎがあるから、ベーシックなボトムスと合わせるだけで、めりはりの効いた着映えに。色違いのブラックは、あでやかでレディーな雰囲気に整います。実は地色がグリーンとブラックの2タイプそれぞれで、花柄の種類も異なります。自然派テイストのグリーンと、優雅なムードのブラック。自分好みでアレンジしやすいのも、デザインブラウスの魅力です。
着心地の楽なトップスの代表格は、やはりカットソー。でも、部屋で過ごす時間が長くなっただけに、ルームウエアとは別の上質カットソーにも目が向きます。
しっとりした質感のカットソーは、着ている人の丁寧な暮らしぶりも印象づけてくれます。やわらかい肌触りは、気持ちもほどくよう。ありきたりの部屋着とは別物のリラックス感に誘います。
お仕事ルックにもふさわしい、きれいめイメージをもたらしているのは、裾を飾るリボン。長く垂らしたフリンジ風のリボンは、縦落ち感も引き出します。ウエスト周りで無造作にしばると、こなれた見え具合に。リボンが流れ落ちて、ほっそり感も加わります。
袖も長めだから、いっぱいに伸ばして縦長イメージを強めたり、くしゅくしゅとたくし上げて、のどかに見せたりと、そのときの気分で自在にアレンジ。ブルーグレー風のカーキ色はシーンを選ばない万能カラー。ニュートラルな雰囲気を醸し出します。
少し長めの丈感は、ヒップラインもカバー。裾のウエストインとアウトで、表情を変えて、マルチに着回せます。
【YANUK×金子綾×藤原裕】ハイライズデニム ¥26,000(+tax) BUY
勢いが続くトレンドモチーフに、チェック柄があります。大自然テイストを象徴するグリーンと重ねれば、ダブルトレンドの「最強柄」に仕上がります。
ノースリーブのブラウスに迎えれば、一段と涼やかな着映えに。すっきりしたVネックがシャープな印象をプラス。上品なスカートと合わせるだけで、涼やか春夏ルックに仕上がります。
ほぼ半分がリネンだから、適度な張り感があり、凜とした雰囲気を備えています。ほんのりとした光沢が品格も寄り添わせました。縁には短く細かいフリンジをあしらって、やわらかい表情を上乗せ。ディテールに凝るのもこの春夏の新傾向です。
チェックフリンジブラウス ¥20,000(+tax) BUY
同じ生地で仕立てたスカートと合わせれば、セットアップとして着られます。ハイウエストと細ベルトのコンビネーションが効いて、くびれが目立つ仕掛け。グリーンとチェック柄のミックスで、穏やかなレディー感を薫らせています。
チェックフリンジブラウス ¥20,000(+tax) BUY
(c)Rie Miyata
シャープな印象のストライプシャツですが、ボリュームスリーブが今までにない印象を添えました。トップス1枚で十分に着映えしています。オフの日はデニムパンツで合わせて、大人カジュアルの着こなしに。ひじの先でギュッと絞った袖コンシャスが休日ルックを格上げしています。
1枚でしっかり着映えするトップスは、テレワークの画面内で様になるのはもちろん、おうちライフにも程よい気持ちの「張り」をもたらしてくれます。部屋で過ごす時間が長くなったからこそ、節目で着替えて、気分を切り替えていきたいものです。ボトムスとの組み合わせ次第で、様々な表情で着こなせる楽しみもあります。朝から晩まで同じルームウエアのままだと、何だか意識まで停滞してしまいがちだから、服でモードを切り替える「おしゃれスイッチング」を試してみませんか。
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