Text / Rie Miyata
宮田理江
(ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター)
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。
さらっと1枚で着られるワンピースは、サマールックの頼れる味方です。5月は初夏のイメージですが、近年はかなり暑くて、6月以降はさらにホット。だから、体を締め付けられないうえ、涼やかな着心地の「進化形ワンピース」は汗ばむ時季のキーアイテム。1枚で着こなしが決まるので、コーディネート不要なのもうれしいポイント。そんなワンピースが「ガリャルダガランテ」に勢ぞろい。今回は、それぞれムードの異なる重宝ワンピースを一挙公開します!
ワンピース全体に柄をあしらうと、華やぎと統一感をダブルでまとえます。モチーフごとに異なるイメージを帯びますが、初夏からのおすすめは小ぶりの花柄。生命力やみずみずしさまで感じさせてくれます。
1874年に創立されたロンドンのリバティ社製「リバティ・プリント」は、花柄生地の最も有名なブランド。今回はグリーン地と、ブラック地が用意されました。
リバティギャザーワンピース ¥36,000(+tax) BUY
【PELLICO】SQUARE MULE サンダル ¥49,000(+tax) BUY
ウエスト周りに細かくギャザーを寄せてあるので、華奢感を引き出せます。ふんわりした「袖コンシャス」が醸し出すのは、フェミニンでやさしげなムード。ウエスト部分のドローストリングス(引きひも)でシルエットを変えられるから、好みの見え具合にアレンジ自在。ボディラインのめりはりも出しやすい、使い勝手に優れたつくりです。
リバティギャザーワンピース ¥36,000(+tax) BUY
【FABIO RUSCONI】トングサンダル ¥26,000(+tax) BUY
【A VACATION】 メッシュ編みバッグ ¥49,000(+tax) BUY
サマーシーズンにうれしいのは、風通しのよいワンピースです。裾にかけて広がるテント形シルエットなら、肌離れが抜群。さわやかに過ごせます。
頭からすっぽりと着られるテントシルエットは楽ちんなのに加え、リラクシングなたたずまい。伸びやかな雰囲気が寄り添います。ウエストの位置が高く見えるのも、うれしいポイントです。
リバティテントワンピース ¥32,000(+tax) BUY
【FABIO RUSCONI】トングサンダル ¥26,000(+tax) BUY
花柄の代名詞的なリバティ柄は、トレンドに流されないタイムレスなムードを漂わせます。こちらはベージュとブラックの2色展開。穏やかなベージュ、シックなブラックと、どちらも甘すぎない色味。地色の違いで、着映えがガラリと様変わりします。ワンピースには珍しく、ポケットが付いていて、ハンズフリーの重宝タイプ。肩に掛かる部分に、しっかり幅があるので、キャミソールのように見えず、形からずれにくいのも、着やすいポイントです。
リバティテントワンピース ¥32,000(+tax) BUY
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涼やかな着映えに導いてくれるのは、うっすらと素肌が透けるシアー生地です。シアー生地はこの春夏のトレンド素材の筆頭格。ワンピースに生かせば、軽快で上品なテイストに整えられます。
ほどよい透け感のおかげで、上品で軽やかに映ります。控えめの透け加減が薫らせるのは、大人らしい節度。前ボタンを開けて、パンツの上からロングアウターとして重ねるような、手持ち服との着こなしバリエーションも楽しめます。
適度な張りがあるので、シルエットが崩れず、品格をキープ。シャリ感を帯びたドライタッチ生地は清涼感を添えてくれます。ウエストを少しだけ絞ってあるおかげで、くびれ感が備わりました。ゆったりした裾が風をはらんで、優美なムードが漂うワンピースです。
【TKEES】トングサンダル/Milk Snake ¥11,000(+tax) BUY
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何通りにも着回しやすい「ユーティリティー(万能)」仕様のウエアが支持を集めるようになってきました。出番が多くなるので、「買ってよかった」と実感しやすいのが納得感の理由。ワンピースの場合は、羽織り物にも使えるマルチユースのタイプが登場しています。
こちらのワンピースは、裾の一番下までボタンを配してあるから、正面を全開にできます。フロント部分を開けて、軽い羽織り物にすれば、エアリーなサマーレイヤード姿に。デニムパンツに重ねて、普段使いにも役立ちます。
ジューシーなイエローは、ハッピー感まで呼び込めそう。元気なビタミンカラーは、着る人にもポジティブな印象を寄り添わせてくれます。細やかに配されたギャザーの効果もあって、エレガントなたたずまい。とろみ生地の質感がしっとりした落ち感を際立たせています。ヘム(裾)が自然に波打っていて、しとやかな雰囲気を演出。ギャザーは背中側にもあしらわれているので、後ろからの視線もしっかり受け止めてくれます。
【PELLICO】SQUARE MULE サンダル ¥49,000(+tax) BUY
【MAISON BOINET】パイソンリングバッグ ¥48,000(+tax)BUY
リボンの人気が続いています。ボウタイ・ブラウスが代表的ですが、ワンピースでもウエストリボンは優美な表情を引き出すディテールです。
共布のベルトは、全体に融け込みつつ、印象的な起伏やノット(結び目)を生み出せるから、絶好のアクセントに。前で軽く結んで、余った端を長く垂らせば、自然な落ち感が加わります。背中側で大ぶりの結び目をこしらえて、あでやかなバックショットの決め手に。リボンを巻く位置や、結び目のゆるさなどでも、多彩なアレンジが可能です。
襟ぐりが横に長いボートネックは、デコルテをきれいに見せてくれます。ウエストをリボンでキュッと絞れば、さらに女性らしいシルエットに。リネンとレーヨンの上質素材で仕立ててあるから、程よい光沢感を帯びています。さらりとした肌当たりは、汗ばむシーズンでも心地よく過ごせそう。しっかり布を使っているのに、軽やかな着映えなのは、この涼やか生地のおかげです。
前後をひっくり返して着られる2WAY仕様のワンピースです。ボートネック側を正面にすれば、打ち合わせのボタンは背中側に回って見えないから、しとやかな風情に。一方、Vネック側を正面に回すと、リラクシングで伸びやかな着映え。裾のボタンを開けて、スリット風にも見せられます。ボタンを全部はずせば、ロングカーディガンのような羽織り使いが可能に。長めの丈感を生かした、縦長イメージのコーデにも重宝します。
ドレープリボンワンピース ¥32,000(+tax) BUY
【PELLICO】SQUARE MULE サンダル ¥49,000(+tax) BUY
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おうちで暮らす時間が長くなり、「おこもりコーデ」でも自分らしくいられるワンピースで過ごす人も増えてきたようです。スウェットの上下に代表される普段着ルームウエアは楽でいいのですが、時には気持ちの張りやおしゃれの実感を得たくなることも。こちらはお部屋ライフが楽しくなりそうなゆったりワンピースです。
フロントの打ち合わせが正面ではなく、ボディに巻き付けて、脇で留めるようなラップタイプだから、アシンメトリーな見え具合。そのままご近所への買い物や散歩に出掛けても、ルーズに見えない着映えです。袖がゆったりしていて、腕を動かしても楽ちん。リモートワークでのパソコン仕事も能率が上がりそう。長い時間、椅子に座っても、楽な着心地です。
肌が触れると、ひんやりする冷感コットンをプラスしているので、涼しく過ごせます。横にもドレープを配してあり、どの方向から見ても、しっかり着映えします。首周りが詰まっているおかげで、くだけて見えすぎないから、急なビデオ会議にも慌てずに済みそうです。
カットドレープワンピース ¥18,000(+tax) BUY
【TKEES】トングサンダル/Milk Snake ¥11,000(+tax) BUY
(c)Rie Miyata
全体にピンドットを配したワンピースは、フェミニン感をしっかり薫らせてくれます。肩部分のフリルもロマンティックな表情。薄手の生地は裾が揺らめいて、優美なシルエットを生み出しています。足元はあえて白スニーカーで合わせて、こなれたテイストに仕上げました。ロマンティックなワンピースを、ご近所コーデにアレンジするうえで参考になる着こなしです。
上質なワンピースは自在に着こなしやすいから、1枚あれば、コーデのバリエーションが格段に広がります。前後をスイッチできる2WAY仕様や、羽織り物兼用、共布ベルト付きなどは、さらにスタイリングの選択肢が多彩。ジャケットやパンツとのレイヤードに生かせば、オールシーズンで着られるのも、進化形ワンピースならではの魅力。「夏に買って、冬にも着る」は、賢いおしゃれ上手の新常識です。
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