Text / Rie Miyata
宮田理江
(ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター)
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。
冬の白ルックはクリーンで上品に映るから、素敵ですよね。なかでも白パンツは足元から冬ルックを軽やかに見せてくれるから重宝します。今回ご紹介する2型の白パンツは、シルエットやディテールに工夫がいっぱい。この2本があれば、自分好みのムードで穿きこなせて、冬のおしゃれを満喫できそう。スタイルアップ効果と組み合わせやすさを兼ね備えた白パンツを取り入れて、冬ルックを手軽に格上げしてみませんか?
女性初のアメリカ副大統領に就くカマラ・ハリスさんの勝利演説でも話題を呼んだオールホワイトのパンツルック。すがすがしさと凜々しさが同居するたたずまいが魅力です。
センタープレスが入ったパンツは、きちんと感が備わっているから、お仕事ルックにもなじみます。こちらのセンタープレスは洗濯で取れることを防ぐ工夫が施されていて、キープ力が抜群。縦に走るラインが脚線をシャープに見せてくれます。
メ両脇にファスナーを配してあるから、フィット感が高く、シルエットがすっきり。ハイウエストのおかげで脚長効果も発揮。ストレッチが効いていて、縦にも横にも伸びるので、着用時の窮屈感を解消し、動作もスムーズに。しわになりにくいイージーケア素材で、自宅での手洗いOK。着用感も扱いも楽ちんです。
そろいの上下セットアップに見えますが、羽織っているのはデニムの白ジャケット。基本の色味を合わせつつ、異素材の別ジャケットを組み込む「ずらしセットアップ」のコーデは、こなれて見えます。バッグとローファーは黒でそろえて、ホワイトルックを引き締めました。
ゆったりめのオーバーサイズジャケットだから、伸びやかな着心地。やさしい肌触りのデニム生地は引っかかりがなく、お仕事ジャケットとしても重宝しそう。しっかりヒップが隠れる着丈は、ボディラインをぼかしてくれます。絶妙の着丈が落ち感を強めています。
ひざ下から裾にかけて広がったフレアシルエットは、脚がきれいに見えるのも魅力。そのおかげで、オーバーサイズのジャケットを羽織ってもきれいに仕上がるのです。きれいめのストリート・トラッドスタイルが完成します。
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従来のスーツと、今のセットアップが最も異なるのは、組み合わせの自由度です。特に「スーツ=ジャケット必須」という鉄則がなく、プルオーバーも「あり」という、幅広さは着こなしのバリエーションを格段に増やしてくれます。
こちらのセットアップは、Vネックのプルオーバーとフレアシルエットのパンツという組み合わせ。一般的な襟付きジャケットではない分、気負わない「エフォートレス」ムードが漂います。ジャケットに比べてカッチリし過ぎない見映えも、プルオーバー入りセットアップの魅力と言えるでしょう
Vゾーンが深いので、すらりと見える仕掛け。ニットならではの穏やかな着心地のおかげで、ストレスフリーで過ごせます。
内側に着用するシャツやカットソー次第で、装いの雰囲気が様変わり。何種類ものパターンで着回せます。たとえば、このようにシアー素材のタートルネックを選べば、フェミニンなムードが加わります。素材を少しずつずらしながら、オールホワイトの気高い装いに整えるアレンジが楽しめます。
リラックス感ときれいめテイストの「いいとこ取り」が叶う点で、便利に使えるセットアップです。裾が広がりすぎないセミフレアのシルエットは脚裁きがよく、それでいてセンタープレスのようなピンタックがきちんと感を演出してくれるから、頼れる1本に。心地よい着心地で美人見えするから出番が多くなること請け合いです。
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ウールミックスのワークパンツは自然と脚に沿う、着心地に優れたボトムス。ウエスト位置が高めのハイウエストタイプだから、腰から下に向かってスッとした落ち感が出て、付かず離れずのシルエットを演出。適度にゆったりしていて、ストレスフリーで過ごせそう。ルームウエア感覚の心地よさを感じながら、歩みに合わせて、しなやかなラインを描いてくれます。シンプルでありながら、エレガンスを演出できる1本です。
ボウタイブラウスの上から、ざっくりニットを重ねて、レディー×リラックスムードをミックス。優美さとほっこり感が交差するコントラストが生まれました。楽ちんなシルエットのホワイトパンツを主役に据えて、ノンシャランとした雰囲気のオールホワイトコーデに。
ボリュームスリーブのニットトップスは、袖をたるませて、朗らかなムードを演出。トレンドのビッグシルエットをニットで取り入れながら、ブラウスのボウタイを無造作に長く垂らして。リラックス感を出しながらも、縦長シルエットを意識するのが着こなしのポイントです。
シャツやブラウスで合わせればモダンに、スウェットやパーカで合わせれば大人カジュアルに。目立たない切り替えを、膝に施してあるうえ、ワークパンツ風の生地感なので、ホワイトルックでも動きやすさや取り扱いの面で安心感があります。かすかなカジュアルテイストを帯びているおかげで、ホワイトルックにこなれ感が加わります。
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ウールミックスワークパンツは、着回しバリエーションが多彩なボトムスです。シルエットがゆったりめなので、オーバーサイズのニットや羽織り物と合わせれば、さらに伸びやかな印象の相乗感が高まる着こなしに。
トレンドのオーバーサイズコーデも白パンツならきれいめにまとまるから、試しやすくなります。おすすめの合わせ方はチュニック丈のニットベスト。春から先の装いにも組み込みやすい、ロングシーズンで使える重宝アイテムです。
シャツやカットソーなどにベストを重ねて、それぞれに表情の異なるレイヤードを楽しめます。オーバーサイズのおかげで、穏やかな落ち感を帯びた縦長シルエットに。適度に着余って映るので、着やせ効果を引き出せます。
深めのVネックなので、トップスとの合わせ方次第で、襟周りの演出を楽しめます。たとえば、長袖の白系カットソーに重ねれば、リラクシングなたたずまい。タートルネックで合わせて、ネック周りを伸びやかに見せる選択肢も。ボウタイブラウスに重ねれば、きちんと感が備わった装いに仕上がります。
見どころのひとつはバックスタイルのシルエット。丸みを持たせてあるのに加え、ボリュームにも余裕があるから、のどかな景色に。斜め横や背後からの視線を意識する、今のトレンドにしっくりなじみます。
ヒップがしっかり隠れる長め着丈が、ボディラインをぼかしてくれます。一方で、ベストの上からベルトを巻いて、ウエストマークを目立たせれば、めりはりがくっきり。新たにボトムスをワードローブに迎えるなら、このような程よくゆったりしたパンツで縦長シルエットをつくってみては。
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(c)Rie Miyata
白パンツは他の色とも相性がいいのが使い勝手に優れる理由。グレージュのジャケットとシューズで合わせれば、洗練された大人カジュアルスタイルに。トップスの白Tシャツと少し色味がずれていても、かえってこなれて映ります。着こなしのポイントは、全体を「白×もう1色」のツートーンでまとめるところ。このように落ち着いたニュートラルカラーと合わせれば、着て行けるシーンもぐっと広がります。
今回ご紹介した、裾が程よく広がり、脚が長く見える「ピンタックセミフレアパンツ」と、落ち感がきれいで華奢見えする「ウールミックスワークパンツ」。この2本があれば、冬のおしゃれを軽やかに格上げできそう。着心地が楽で、きれいに見えて、着回し力も多彩な白パンツは、冬コーデを支える頼もしい存在です。
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