FASHION JOURNALIST RIE MIYATA
TREND TIPS Vol.117
FASHION JOURNALIST RIE MIYATA
TREND TIPS Vol.117
着心地が楽なワイドデニムパンツは初夏から出番が増えるボトムスです。カジュアルな装いで休日気分を満喫するにはもってこい。なかでもワイドデニムは脚に張り付かないうえ、70年代ヒッピー風にも着こなしやすく、トレンド感もまとえます。ヴィンテージ風味やダメージ感を帯びさせたタイプはこなれたコーディネートに導いてもらえます。今回は「ガリャルダガランテ」の新作を使った、休日向きのデニムスタイリングを4パターンにわたってご案内します。
デニムパンツにも流行がありますが、変わらない支持を受け続けているタイプにワイドシルエットがあります。ゆったりした穿き心地や穏やかなムードが人気の理由。こちらはヴィンテージライクな風合いやダメージ加工を施して、特別な雰囲気をまとわせた格上ワイドデニムパンツです。
こちらは、体型に合わせて選べる3サイズが用意されています(XS、0、1)。やたらとワイドすきない、程々の幅加減なので、かえって細感を引き出せる、計算されたシルエットです。
しっかり色落ちさせたブルーと、クリーンな印象のホワイトという2色から選べます。ユーズド感がほんのり漂うデニムは自然体の雰囲気。太い番手のムラ糸を使った、13オンスのデニム生地はナチュラルに脚となじむ質感。もちろんコットン100%で、自宅での手洗いOKです。
ヴィンテージライクな風合いを宿しているから、トップス1枚のシンプルな着方でもこなれた見え具合に整います。2000年代の気分を思わせる色味がトレンド感も寄り添わせてくれます。
適度に目を引くポイントは、正面の2カ所に施した、控えめのダメージ加工。横向きの破れ目を、ももと膝上の位置に配しています。左右で高さが異なるので、動きが出る仕掛け。こなれたムードを醸し出しています。
最大の魅力は絶妙なパンツ幅です。一般的なバギーは幅がトゥーマッチに見えがちですが、こちらはそこまで太くない、ストンとした落ち感の出るフォルム。癖が強すぎないから、トップスとの相性も選びません。色や素材感、ダメージ加工に表情が備わっているので、しっかり着映えするデニムパンツです。
伸びやかなムードでデニムパンツを着こなすなら、チュニック系のトップスがおすすめです。ウエストアウトした裾から風が吹き込むので、汗ばむ時期にもさわやかに過ごせます。
たっぷり袖がふくらんだ「袖コンシャス」のチュニック風シャツは風通しがよく、素肌に張り付きません。ボディに張り付かないシルエットは、薄着の夏に好都合です。
ゆったりと裾が遊ぶチュニックタイプは散歩や旅行など、くつろいで過ごす日にぴったり。ワイドデニムパンツとの相乗効果で、一段とのどかな着映えに仕上がります。
【CAROLINA SANTO DOMINGO】バッグ ¥107,800
デニムパンツはトップスと合わせるものという「常識」がありますが、実はワンピースとも好相性を発揮してもらえます。デニム特有の普段着イメージを薄めつつ、マルチに着回すうえでも好都合なスタイリングです。
ロング丈のシャツワンピースを重ねた、上品な雰囲気のデニムコーディネートです。ワンピースの裾下にパンツが少しだけのぞいて、縦長イメージが強まっています。落ち感もきれいに出るから、取り入れるメリットの多いアレンジです。
足元にハイヒールやドレッシーサンダルを迎えれば、デニムパンツのおしゃれ見えがかないます。ちょっとした集まりや食事会などにも使いやすい装いです。
見慣れたウエアのデニムパンツだからこそ、今のトレンドを取り入れた着こなしを意識したいものです。うっすらと素肌が透けるシアー系トップスは、ほのかに色香を薫らせる「センシュアル(官能的)」のテイストを生かせます。
全く透けないデニムは、シアー素材で仕立てたトップスを引き立てる、絶好の相棒ボトムス。シアーとデニムの上下コンビネーションは、素材コントラストがくっきり。同系色、とりわけ白系でそろえると、素肌の透明感が引き立ちます。
サマールックは薄着でシンプルになりやすいものだから、アクセサリーやバッグで華やぎを補って。きらめきを宿したバッグやネックレス、ブレスレットでさりげなくドレスアップ。カップルでのお出掛けをはじめ、美術イベントやショッピングにも向くスタイリングです。
【La nature linge】チュールノースリーブトップス ¥11,000BUY
【Giarite】バッグ ¥47,300
涼しく過ごしやすいジレ(ベスト)は初夏から秋口まで長く使えるお役立ちアイテムです。デニムパンツと引き合わせれば、タイトシルエットを印象づけてくれます。
ジレをノースリーブのまま着こなすと、こんなにクールなムードを演出できます。ノースリーブのトップスが見えないように羽織って、ヌーディーなムードを醸し出しているところも参考になりそうです。
ジレ自体に「きちんと感」が備わっているので、デニムルックに落ち着きが加わります。Vラインが効いてシャープ感も加わりました。黒系ジレをまとえば、大人感がアップ。上品なバッグを添えて、ディナーやナイトプレジャーに出掛けたくなる、デニムパンツのモード使いです。
【Giarite】バッグ ¥47,300
【TONY BIANCO】パデットスクエアトゥミュール ¥31,900BUY
いよいよ人と集まる機会が増えてきただけに、大型連休は久しぶりに本気で楽しめそうな予感。軽やかに歩きやすいワイドデニムパンツはアクティブな休日のお供にうってつけ。着こなしのレパートリーを増やして、様々なシーンでマルチに使いこなしてみませんか。
Text / Rie Miyata
宮田理江
(ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター)
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。