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PROFILE
Text / Rie Miyata
宮田理江
（ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター）多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。
メンズ由来アイテムがすごく使える！ 春からヘビロテしたい便利服
メンズ由来アイテムがすごく使える！
春からヘビロテしたい便利服 -
メンズのワードローブでは当たり前の定番的アイテムは、実はウィメンズですごく使えることが判明しました。その理由は、自然なメンズ風味を帯びている分、コーディネート次第で「こなれ感」を出しやすいから。要するに、手持ちワードローブと組み合わせるだけで、新鮮な装いに仕上がるわけです。しかも、丈夫で楽ちん。そういったメンズ服ならではの長所を生かして、ウィメンズ向けにリモデルした新顔アイテムが「ガリャルダガランテ」に勢揃い。シャツブルゾン、デニムジャケット、ラガーシャツ、ボーダーカットソーといった、メンズ由来のお役立ちアイテムをピックアップしてご紹介します。
(c)Rie Miyata
トレンドのアイスウォッシュのオーバーサイズ・デニムジャケットはモノトーンコーデにも好相性を発揮。スウエットパーカ、プリーツスカートの上からサラッと羽織って、クールな雰囲気に整えました。ボリュームのあるダッドスニーカーを迎えて、「大人ストリート」感を演出。70年代や90年代の気分が復活する中、デニムアイテムはこれからのキーピースになっていきそうです。メンズ御用達のアイテムは、元気感やストリートテイスト、アウトドア感などの、健やかでタフなイメージが魅力。自分らしさや主張を意識する女性が増える流れもあって、メンズライクなアイテムの支持率は一段と高まりを見せています。しかも、メンズ仕様は丈夫で楽ちん、イージーケアといいことずくめ。手持ちワードローブにミックスして取り入れれば、こなれ感も出やすいから、薄着になっていく春夏のキープレーヤーに１着、迎え入れてみてはいかがでしょうか。
空気をはらむ「シャツブルゾン」で伸びやかリラックスな着映えに
使い勝手のよい新顔アイテムには、名前に「法則」があります。それは「連名」。「シャツワンピース」や「チュニックドレス」のように、異なるウエアを合体させた重宝系アイテムは、２種類の名前がつながった「ハイブリッドネーミング」になる傾向があります。こちらのシャツブルゾンも両方の「いいところどり」が大きなメリット。お天気が不安定な日でも、状況に応じて、着こなしを変えられるスグレモノです。
襟が立っているのは、いかにもシャツらしい顔つき。一方、軽く羽織れるシルエットはブルゾンのたたずまい。その両方を兼ね備えている点がハイブリッドウエアの魅力です。伸びやかなフォルムは着心地が楽でありながら、シャツ特有の「きちんと感」もまとえるという、重宝に使いやすい新発想アイテムです。
裾にドローストリング（引きひも）をぐるっと配してあるので、裾を絞ったり、前を開けたりと、アレンジの選択肢がいっぱい。その日の装いや気分に合わせて、着映えを自在に変えられます。ドロストの絞り加減だけで、ゆったりにも、すっきりにも見え具合をスイッチできます。
【Proenza Schouler】サンダル ¥85,800
一般的なシャツ生地よりも、やや肉厚なコットン素材には、適度な張り感が備わっています。マニッシュな雰囲気を醸し出してくれる生地です。素材は綿100％で、汗ばむ日でもさわやかに過ごせます。自然とこなれた着映えに整うのは、洗いをかけたような、表情を帯びた風合いのおかげ。色はホワイトとブラックの２色から選べます。
裾（ヘム）はヒップを隠す着丈があるので、ウエストアウトして縦落ち感のあるコーデに。裾のラインが横一直線ではなく、程よく丸みを帯びているから、ウエストアウトが朗らかに決まります。
ゆったりした身頃はほどよく空気をはらむので、蒸れにくく、涼やかな着心地。春夏を通じた、軽い羽織り物として便利です。ややオーバーサイズな造りを生かして、襟を抜いて着ると、リラクシングな印象に。夏に向けては、袖をまくって、気負わないムードを出す着方も選べます。
【Proenza Schouler】スポーツエラスティックサンダル ¥61,600 BUY
サステナのゆったり「デニムジャケット」で格上のこなれ感
春夏らしいアクティブ気分を物語るアイテムの代表格に、デニムジャケットがあります。流行に関係のない「タイムレス」な魅力があらためて評価されています。デニムパンツと組み合わせた、デニムのワントーンで着れば、おしゃれ上級者も好む格上の「デニムonデニム」コーデが完成します。
デニムジャケットには短め丈のイメージがありますが、こちらはオーバーサイズ気味の長め丈。ヒップまで届くレングスだから、ハーフコート風に大人っぽく着られます。落ち感があるおかげで、かえって華奢感を引き出せるシルエットです。
綿100％のサスティナブルデニムで織られています。リサイクルコットンを使用し、環境にも配慮。軽くてソフトなデニム生地だから、デニムにありがちなゴワつきがなく、シャツライクにパサッとまとえます。控えめなダメージ加工を施してあるのも、こなれた印象に映る理由です。
着丈がしっかりある分、いわゆる「Ｇジャン」とは違って、デニム仕立てのライトアウター風に着こなしやすい造り。ヒップの下あたりには裾ベルトが配してあるので、絞りを加えて、丸みを帯びたシルエットに変えられる仕掛け。切りっぱなしになった裾も軽やかに見えます。
【SIDANHA】スリッパパンプス/TIPA SLIPPER ¥49,500 BUY
色はホワイトとブルーが用意されています。写真のようにホワイトのデニムジャケットに少しトーンをずらしたベージュのパンツで合わせれば、ニュアンスのあるスタイリングに仕上がりそう。写真のように、袖口のボタンを開ければ、ベルスリーブ風のシルエットを描き出す、ユニークな着こなしに仕上がります。
ゆったりしたフォルムに加え、肩が少しドロップしていて、背中側にも丸みを帯びているので、着やせ効果が見込めます。メンズのワードローブから拝借してきたかのようなボーイフレンド感があり、パンプスと合わせると、絶妙なずれ感が生まれるアイテムです。
【ARCH THE】ニットタンク ¥24,200
【SIDANHA】パンプス/TIPA PUMPS ¥49,500 BUY
早い者勝ちの「ラガーシャツ」で最旬のジェンダーミックスの装い
スポーツユニフォームに由来する装いではポロシャツが有名ですが、ラグビー選手が着るラガーシャツはウィメンズではまだ目新しい存在でしょう。アクティブな雰囲気を呼び込める点で、春夏の新たなワードローブに迎え入れたいトップスです。
スポーツ由来のウエアだからこそ、あえてセンタープレスを利かせたきれいめパンツで合わせて、ムードミックスのスタイリングを試せそうです。ワイドパンツで合わせれば、気負いを遠ざけたエフォートレスシックの着映えに仕上げられます。
まだ着ている人がウィメンズでは少ないだけに、着こなしの鮮度を高める効果が見込めます。ジェンダーレスな気分をまとえるから、ダイバーシティ感もたっぷり。さらっとしたタッチのコットン仕立てなので、暑い日でも心地よく着続けられます。
ボトムス選びでもきれいめやフェミニン感を意識すると、ラガーシャツとのコントラストが際立ち、程よいジェンダーミックスの装いに仕上がります。
【SIDANHA】パンプス/TIPA PUMPS ¥49,500 BUY
色はチャコールグレーとベージュの２色から選べます。どちらも主張が強すぎないベーシックトーンなので、手持ちボトムスとのマッチングにも苦労せずに済みます。
ラガーシャツ自体に男っぽさが薫るから、自然にメンズライクなコーデがまとまります。オーバーシルエットを生かして、細感を引き出すのが賢いコーデ。着こなしのコツは、襟周りに「隙間」を演出するところにあります。
正面の胸元はスキッパー式だから、自然とシャープ感と素肌美を印象づけられます。さらに、背中側の襟を抜きやすいのも、オーバーサイズの仕立てならでは。袖まくりはヘルシー感も漂わせてくれます。ゆるっとした雰囲気を保ちつつも、胸元のスリットや袖まくりなどの小技を取り入れるのが大人の上手な肌見せテクです。
体の線を拾わないシルエットだから、暑い日に１枚で着ても、肌に張り付かず、様になるユーティリティーなトップス。ボトムスで引き締めて、めりはりをつけるコーデがおすすめです。
【SIDANHA】スリッパパンプス/TIPA SLIPPER ¥49,500 BUY
伸びやかシルエットの「ボーダーカットソー」で涼やかマリン
天才画家のピカソが愛用した「バスクシャツ」に代表されるように、ブルーのボーダー柄をあしらったカットソーは、アクティブで若々しいイメージを連れてきます。襟ぐりが横に開いたボートネックは首周りが楽で、春夏も涼やかに過ごせます。
ゆるっと感が印象的なボーダー柄のカットソーは１枚、持っていれば、春夏シーズンを通じて、着回しが利く重宝トップスです。こちらはオーバーシルエットだから、いっそう伸びやかな見え具合に。シャツの上に重ねて、袖口をくしゅくしゅとたくし上げるレイヤードルックも楽しめます。マリンルックに通じる、クリーンでさわやかな印象は、清涼感をまといたくなる今の時代に望まれるイメージです。
【Le minor】ボーダービッグシルエットカットソー/別注 ¥15,400 BUY
【SIDANHA】スリッパパンプス/TIPA SLIPPER ¥49,500 BUY
フランスの老舗カットソーブランド「Le minor（ルミノア）」にガリャルダガランテが別注をかけた、ガランテだけでしか手に入らないボーダーカットソーです。フランス海軍に兵士用の衣服を納めていた実績があることも、水兵を思わせるマリンボーダーの味わいを深くしています。
デニムパンツやフレアスカートなど、引き合わせるボトムス次第で、全体のイメージが様変わり。ボーダーカットソーに癖が強くないおかげで、様々なボトムスに合わせて、着回しレパートリーを増やせるのは、手持ちボトムスの活用という意味でもうれしいところ。たとえば、こちらのように、レースのスカートで合わせると、ボーダー柄カットソーと花柄シアーの異素材ミックスコーデにまとまります。
【Le minor】ボーダービッグシルエットカットソー/別注 ¥15,400 BUY
【Proenza Schouler】サンダル ¥85,800
ボーダー柄は全体に均等にあしらわれているわけではありません。首・肩やトップス裾は白地のままで、不規則なリズムが生まれています。特に裾の白地は広めなので、きれいな落ち感が備わりました。
袖先が開き気味のたっぷり袖は、風が吹き通って心地よく着られるシルエット。夏でも素肌に張り付かないから、１日ずっと軽快な気分で過ごせそう。首周りにオープンスペースがある分、ネックレスで彩る選択肢も。今年らしい太チェーンネックレスも好バランスのコーデに導きます。
透けるレース系スカートや、スリット入りのエレガントなボトムスを引き合わせると、軽やかでエアリーなたたずまいに。メッシュのシューズでさらにクール感を寄り添わせた涼やかマリンコーデが新鮮です。
【Le minor】ボーダービッグシルエットカットソー/別注 ¥15,400 BUY
【PELLICO】メッシュディープカットフラット ¥59,400BUY