Text / Rie Miyata
宮田理江
(ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター)
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。
風を通すシアー素材は、サマールックに清涼感をもたらしてくれます。オーガンジーやレースなど、透ける素材は実際に空気が吹き抜けるから、汗ばむ日でもさわやかな着心地。しかも、手の込んだ編み地やカットワークは、さっぱりしがちな夏の装いを華やかに見せる効果も。ドラマティックな着映えに導いてもらえるシアー服は、「ガリャルダガランテ」のお得意アイテムでもあります。今回は夏のコーディネートに取り入れやすい、多彩なシアー新作を一挙にまとめてご提案します。
普通にありそうで、実はなかなか手に入らないトップスに、「袖がおしゃれに透けるカットソー」があります。コットンニットのタイプは意外にレア。こちらはその貴重モデルです。
たっぷりした五分丈袖は、トレンドの勢いが続く「袖コンシャス」。ちょっとだけアイキャッチーな「存在感あり」のスリーブが夏ルックをポジティブに華やがせてくれます。コットンオーガンジーのやさしい風合いがソフトな表情を呼び込みました。透け度が高すぎない「控えめシースルー」だから、フェミニン感も程々。1枚で安心して着られます。
タックを寄せてあるので、イージーに見えにくいのも、1枚使いしやすい理由。朗らかなふくらみを帯びたパフスリーブが腕の華奢感を引き出す「めりはりプラス」のおまけ付きです。
上質コットンの素材感を生かした、自然なリブ編みで仕上げ、付かず離れずの着心地に仕上げました。締め付けのきつくないリブが全体をコンパクトにまとめ、ボディを細見えさせています。
全体がシャープに映るのは、リブ編みならではのメリット。首周りが空きすぎていないので、レディーライクに着こなせます。一般的なTシャツは裾が横一直線のパターンが多いのですが、こちらは裾が曲線を描くラウンドヘムの仕上げ。だから、ボトムスにウエストアウトしたとき、きれいに決まります。
両サイドにスリットが入っているので、横からの見え具合も上々。正面側だけウエストインすると、前後のアシンメトリーが際立ちます。
シルエットにエレガンスを漂わせつつ、スイート感は抑えた上出来バランスが持ち味。だから、パンツともスカートともスムーズに引き合わせられるわけです。
色は見るからに涼やかなネイビーと清潔感の高い明るめエクリュ(生成り、きなり)の2色から選べます。エクリュは上下ホワイト系でまとめやすい、癖のない色味。ネイビーはデニムパンツとも好マッチングです。
伸縮性とフィット感を兼ね備えたコットンでリブ編みしてあるから、汗ばむ日でもしっかりとシルエットをキープ。一般的な夏用Tシャツとは別物の「格上カットソー」と言えるでしょう。
着心地が楽なのに、ドレッシーに映るのは、オーガンジー素材の袖のおかげ。実は色のトーンもずらしてあり、エクリュは身頃よりも袖部分のほうがホワイトに近くなっています。一方、ネイビーの袖はブラック。オーガンジーの透け加減が引き立つカラーコンビネーションです。
ウエストアウトで着れば、落ち感も出て、いっそうこなれた着映えに。ウエスト周りで少したるませてインするブラウジングは、自然体の印象を引き出してくれます。人気のワントーンコーデに仕上げると、上品でおしゃれな仕上がりに。
身頃に適度なゆとりがあり、蒸し暑い日でも空気が通ります。パフィな袖からも風が抜けるから、エアリーな気分で過ごせる魅力的なアイテムは、ワードローブにさっそく迎え入れたくなります。
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夏コーデが悩ましいのは、薄着と着映えの両立が難しいところ。1枚で楽に過ごしたいけれど、ルーズやイージーに見えるのは困りものです。でも、こちらのブラウスはレースの表情が生きているから、1枚で着ても、手抜きに見えません。
頭からパサッとかぶるだけのプルオーバーなのに、申し分のない大人感が備わっています。最大の理由は、上質感を印象づけるカットレースの存在です。
優美に広がった程よいゆとりの七分袖に、華やぎレースをたっぷり贅沢にあしらいました。身頃の裾にもレースが躍り、涼やかさとエレガンスをダブルで薫らせてくれます。
オーバーサイズ気味のゆったりシルエットだから、着心地も楽ちん。着丈がやや短かめのクロップド丈はトレンドディテールで、軽やかに着られるメリット大。夏ルックで出番が増えるショートパンツやマキシ丈スカート、ワイドパンツとのコンビネーションもおすすめです。
「ガリャルダガランテ」が得意とする、前後をひっくり返して2WAYで着られるタイプです。色もホワイトとブラックの2色を用意。色違いでそろえて、さらに着回しパターンを増やせます。
レースの上質感を引き立てているのは、適度な張り感を宿した、コットンオーガンジー素材ならではの風合い。夏向きのサラッとした肌触りだから、さわやかな着心地です。手洗いOKの仕様は、汗が気になるシーズンに頼もしく感じられます。
そのほかにもメリットが盛りだくさん。レース部分の端が貝殻のように入り組んだ仕上げになっているから、動きがプラス。少し体を揺らすだけで、レースの見え具合が変わり、ドラマティックに着こなせます。
さらに、レースに気品が宿っているから、ブラウスを主役に据えたコーデが決まります。シンプルな細身スカートで合わせたり、デイリーなデニムパンツを迎えたりと、アレンジは自在。ホワイトとブラックの色味を生かして、同系色でシックにまとめるスタイリングにも生かせます。
今回は同じコットンオーガンジー素材で仕立てた、セットアップのレーススカートも用意されています。レースの秘めやかなムードがいっそう濃くなり、絶好のサマードレス姿が手に入ります。
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スカートの裾にレースを迎えると、一気にあでやかさが高まります。こちらのスカートは裾のカットワーク刺繍が大人のグラマラスを呼び込んでくれるデザイン。先ほどのレースブラウスとセットアップになっています。
サマーコーデの主役を任せられるのは、膝から下が静かに広がるマーメイドラインだから。レッグラインをほっそり見せてくれる、夏の切り札シルエットです。
ブラウスに合わせて、ホワイトとブラックの2色が用意されています。セットアップで着れば、色味とレース感が一段と濃くなって、ドレッシーに着こなせる提案です。
ウエストはゴムを通してあるから、締め付け感がなく、楽ちんな穿き心地。1日ずっとストレスフリーで過ごせます。単品で着る場合でも、トップスの相性を選ばないのは、このスカートの強み。白シャツやカットソー、ノースリーブなど、それぞれの持ち味を引き立てる「万能スカート」です。
足首まで届く着丈があるので、オールシーズンで使えるのも魅力の一つ。裾のレースを生かして、秋冬にはパンツにレイヤードしたり、ロングブーツと合わせたりすれば、トレンド感の高いスタイリングが叶います。
夏は、「カジュアルトップス×エレガントスカート」のずらしコーデで、こなれルックに整えるコーデがおすすめ。セットアップのブラウスも一緒に揃えておくと、デバンを選ばないきちんとルックに。通年で着回しやすいレパートリーとして、着こなしバリエーションを一気に拡張してくれます。
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夏の装いで重宝するのは、マルチに着こなせるアイテムです。汗をかきやすいシーズンだけに、風通しや清涼感も肝心。そんな欲張りなニーズに応えるのが、こちらのニットチュニックです。
チュニックにはエスニックなイメージがありますが、こちらはクロシェ(かぎ針編み)のニットだから、ボヘミアンなたたずまい。シックな大人感の高い、フェミニン寄りのニットチュにニックです。色はどちらもコーデに組み込みやすいブラックとホワイトから選べます。
ストライプとボーダーを組み合わせた立体的な編み目のおかげで、味わいの深い表情を備えています。編み地のデザイン性を生かすには、Tシャツやノースリーブに重ねて。「白×黒」のようなコントラストの利いた組み合わせが効果的です。
レイヤードに組み込みやすいアイテムなので、ほとんど通年で着回せます。程よく透けるから、装いを軽やかに見せてくれそう。シーズンレスの着こなしにも重宝するアイテムです。
サイドスリットが深く入っているおかげで、脚さばきは楽々。ワイドパンツやデニムパンツをのぞかせるようなコンビネーションで動きをプラスして。細身ボトムスと組み合わせれば、スレンダー感が際立ちます。
使い勝手のよいロング丈チュニックなので、サマーレイヤードのキーピースに位置づけるコーデが便利。キャミソールトップスやスイムウエアとの重ね着も選択肢に加えると、着回し力がアップします。
こちらも前後を逆転させて、2WAYで着られるタイプ。もともとの正面側は襟ぐりが浅めの横開き仕様。背中側はカシュクール風の深めVネックなので、前後を切り替えるだけで、着映えが大胆にスイッチ。着回しバリエも2倍になります。
デイリーな大人フェミニンカジュアルにするなら、このようなデニムパンツで合わせるのがベスト。カジュアルヘルシーに着こなすなら、ショートパンツの上から重ねて。ロング丈スカートと組み合わせて、落ち感がきれいな「ロング×ロング」のコーデに仕上げる選択肢も。1枚あると、上手なスタイリング幅が広がること請け合いです。
(c)Rie Miyata
レース主体のウエアは、サマーレイヤードに仕上げると、軽やかさが際立ちます。色と質感の異なるアイテムをミックスするのが、こなれ感を引き出すポイントです。
薄いグリーンのレースワンピースは、ふんわりボリュームの袖コンシャスが印象的。黒のスリップドレスの上から、パサッと重ねて、クールなムードに。フットベットサンダルで足元に抜け感を添えるのも大人の余裕を感じさせます。
夏の装いは、蒸し暑いイメージをいかに遠ざけるかがコーデの工夫ポイントになります。レースやシースルー、クロッシェなど、透ける素材を最大に活用して、サマールックを賢く涼やかに演出してくださいね。
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