FASHION JOURNALIST
RIE MIYATA
TREND TIPS Vol.97
サマールックの定番的なボーダー柄にも、新しい着こなしが登場してきました。カジュアルなマリンルックが主流でしたが、今年流はちょっぴり「センシュアル(官能的)」。細感を引き出しつつ、上品に整えるスタイリングが提案されています。このような着こなしを叶えるアイテムが「ガリャルダガランテ」にそろいました。新発想のトップスやスカートを使った、今すぐ取り入れたくなる夏らしいコーディネートをご案内します。
ボーダー柄にはトップスのイメージがありますが、だからこそボトムスに迎えると、意外感をまとえます。おすすめはロングスカート。着丈が長いおかげで、落ち感がきれいに出ます。
リブニットのタイトスカートに、ネイビーの細ボーダーを配しました。体を締め付けず、しなやかに沿うニットスカートはスッキリしたシルエットが魅力です。
ふくらはぎに掛かるミモレ丈は上品なムード。ネイビー×ホワイトのタイプは、20本以上の細いボーダー柄が映えて、スレンダーな印象が引き立ちます。やさしい着心地の理由は、コットン86%、ナイロン10%、ポリウレタン4%というミックス素材だから。自然にフィットする、ストレスフリーの着用感を実現しました。
ボーダーの色はブラック、ネイビー、グレージュの3つから選べます。細さや色合いもそれぞれに異なり、ブラック×ホワイトはワイドボーダー。写真のネイビー×ホワイトは細めのマリンボーダーだから、さわやかなトーンです。
ニットの編み地はしっかりした質感がある、中肉厚のタイプ。裾がペラペラ遊ばないので、落ち着いた雰囲気で着こなせます。自宅で手洗いOKの素材です。
伸縮性に富んでいるから、細めのシルエットなのに、窮屈さを感じません。後ろのスカート裾にスリットが入っているので、足さばきも楽々。見た目はスレンダーでありながら、足がスイスイ前に出る仕立てです。
ウエストが楽なのは、ウエスト全体にゴムを通してあるから。ゴム部分を折って、着丈を好みの長さにアレンジすることもできます。ニット生地は中肉厚なので、アンダーウエアのラインが響きにくくなっています。リブニットの編み地はボディに自然となじんでくれます。
トップスとの相性を選ばないのも、このスカートのいいところ。おすすめは写真のようなダークカラー。ボーダー柄とのコントラストが際立って、上下それぞれ1枚で着ても、めりはりが加わります。
ノースリーブのトップスと引き合わせれば、シャープさが際立ちます。縦に長いイメージをさらに強めるには、このようにトップスのサイドにスリットの入ったタイプを選んで。腰のあたりでボーダー柄がスリットからのぞくと、スッキリ感が一段と高まります。トップスの雰囲気次第で、オンでもオフでも着回しやすい、シーンフリーの重宝スカートです。
【CALUX】ノースリーブカットソー/別注 ¥8,800 BUY
【TONY BIANCO】ナローストラップサンダル ¥30,800 BUY
【ANNIKA INEZ】フープピアス/AMPLE HINGE HOOPS ¥26,400BUY
【SOPHIE BUHAI】リング ¥94,600
夏におすすめしたいカッティングに「アメリカンスリーブ」があります。首周りから脇の下にかけて、斜めにカットし、肩を大きく露出したノースリーブのことです。
タンクトップでおなじみですが、近ごろはウエディングドレスにも用いられるようになっています。見た目が似ている、首に引っ掛ける形の「ホルターネック」との違いは、背中側にもしっかり身頃がある点です。背中の素肌が露出しすぎないので、ホルターネックよりも安心して着やすいシルエットです。
こちらのニットトップスはアメリカンスリーブを取り入れているから、涼やかで軽やかな見栄え。実際、さわやかに過ごせる夏向きトップスです。アメリカンスリーブならではのきれいな見え具合のおかげで、かえって腕が細く映る仕掛け。ヘルシーなイメージも印象づけられます。
ネイビーの細いボーダー柄が夏に欠かせない清潔感を引き立ててくれます。細めの横縞もクールな表情で、サマールックにうってつけです。コットン86%、ナイロン10%、ポリウレタン4%の好バランスは、汗ばむ日でも肌に張り付きにくく心地よい風合いを実現しました。
基本のシルエットはベーシックなデザインなので、自在に着回せます。ショルダー部分の幅が一般的なタンクトップより太めの分、カジュアルに見えすぎないのも使い勝手のよい理由です。
ニット生地は中肉厚で、透けすぎない点で安心感があります。シャツやジャケットを重ねれば、さらに出番を増やせます。自宅での手洗いOKは、汗をかきやすいサマーシーズンに重宝します。
色はブラック、ネイビー、グレージュの3色が用意されています。先にご案内したタイトロングスカートと同じ3色なので、両方を合わせればニットアップ(ニットのセットアップ)を組み上げられます。
小ぶりなシルエットを生かして、透けるシアー系素材で仕立てた薄手の羽織り物を重ねるサマーレイヤードもおすすめ。シャツの前を開けて、ジャケットに羽織る選択肢もありそう。シンプルな白シャツに重ねても、ボーダー柄が清涼感を醸し出してくれます。
トップス1枚で着る場合のスタイリングでは、ボトムスにボリュームを出す演出がおすすめです。上半身のコンパクトさが際立ちます。写真のように、たっぷりめのデニムパンツで合わせれば、量感のめりはりがくっきり。バッグと靴でムードを切り換える味付けが効果的です。
背中側の開きが少しだけ深めだから、ヘルシーな肌魅せが叶います。真夏でも快適に着られる形です。両サイドの裾のスリットもすっきり見せてくれる効果をプラス。
写真の絶妙なコンビネーションを生んでいるデニムパンツは、アメリカのプレミアムデニムブランド「CITIZENS of HUMANITY(シチズンズ オブ ヒューマニティー)」の品。丸みを帯びたコクーンシルエットが朗らかなムードを寄り添わせています。
「シチズンズ オブ ヒューマニティー」はロサンゼルス発のプレミアムデニムブランドです。2003年に元「Seven For All Mankind(セブンフォーオールマンカインド)」の2人が立ち上げました。コクーンデニムはブランドの代表作とも呼べそうな人気アイテムです。
人気の理由は控えめのダメージ加工にもあります。裾とポケット周りに、あっさり加減のクラッシュ加工を施し、自然なユーズド風味を帯びさせました。裾も切りっぱなしで、適度にほつれた表情も、気負わないムードを添えるアクセントになっています。
デニム生地は適度な張りがあるので、アイキャッチーなコクーンシルエットをしっかりキープ。でも、ゴワつきはないので、肌当たりは穏やか。もちろん、上質なコットン100%で、自宅での手洗いOKです。
「ガリャルダガランテ」では以前から取り扱いのあるリピートアイテムです。今回はベーシックなブルーの新カラーを迎えて、再登場となりました。
ウォーターカラーのようにさわやかなブルーなので、合わせるトップスを選びません。ボーダー柄トップスは絶好のパートナー。互いがよさを引き立て合う関係になってくれます。
一段と脚線が伸びやかに映るのは、パンツがハイウエスト仕様になっているおかげ。コンパクトなトップスとのコンビネーションは上半身を小ぶりに見せる効果が絶大です。
【CITIZENS of HUMANITY】HORSESHOEワイドデニムパンツ ¥45,100
【STUDIO AMELIA】パンプス ¥101,200
【paco rabanne】バッグ ¥101,200
【SOPHIE BUHAI】ピアス ¥83,600
【SOPHIE BUHAI】リング ¥94,600
先にご紹介したアメスリ(アメリカンスリーブ)のニットトップスは、3色それぞれでボーダーの幅が異なります。こちらはワイドボーダーのブラック×ホワイト。ネイビーの細いボーダーとはかなり印象が違ってみえます。
幅が太いので、カジュアル感が薄く、きれいめにも着こなしやすくなっています。黒×白というシックな色味を生かして、ダークトーンのボトムスで合わせて、スタイリッシュにまとめるコーデも選べます。
コンパクトなタンクトップのよさを生かすには、量感のたっぷりしたボトムスを選ぶのが得策。たとえば、こちらのような裾広がりのロング丈スカートも上々の相棒候補です。上下でお互いの良さを引き立ててくれます。
薄着のシーズンは、少ないアイテム数で決まるコーデを取り入れたくなります。このようにフレアスカートで合わせて、くびれがきれいに出る「フィット&フレア」のフォルムにまとめると、レディーライクな夏ルックが完成。涼やかなうえ、上品さも感じさせます。トップスの裾をきっちりウエストインして、細感を強調するのがコーデのコツです。
ワイドボーダー柄はモードな表情を引き出すところがあり、大人っぽい夏ルックに仕上げられます。手持ちのダークカラーボトムスともなじませやすいので、着回しバリエーションを広げてもらえそう。新たな魅力をまとえる、新感覚のワイド幅ボーダーはワードローブに迎え入れる価値大です。
【CAMINANDO】トングサンダル ¥19,800 BUY
【SOPHIE BUHAI】ピアス ¥113,300
同じボーダー柄のニットトップスとタイトスカートを組み合わせたセットアップは統一感が格別です。写真を見て分かる通り、全体に弾むようなリズム感が備わっています。
上下で色・柄をそろえて着ると、まるでワンピースのよう。上品な印象が強まり、アメリカンスリーブでもドレッシーに着こなせます。
ニットがしんなりと体に沿うので、ボディコンシャスなシルエットですが、ニット生地が中肉厚のおかげで、体の線を拾いすぎません。体が締め付けられないのも、ニットアップならではのよさです。
躍動感のあるボーダー柄は、ボディラインをカムフラージュする効果も発揮。程々のグラマー感をもたらしてくれます。体の線が気になる薄着シーズンに頼もしいアイテムです。
さらに、着痩せメリットを引き出したいなら、オーバーサイズ気味のサマーアウターを羽織って。ボリュームの落差が目立って、自然とスレンダーに映ります。
ロングネックレスを垂らしたり、ポシェットを斜め掛けしたりといった小技は、落ち感を強めてくれます。同系色でまとめるスタイリングは、ニットアップの統一感を一段と引き立てるから、ノーブルな着映えに導いてもらえそうです。
【Elleme】メッシュアンクルブーツ ¥75,900
【paco rabanne】バッグ ¥101,200
【SOPHIE BUHAI】リング ¥94,600
(c)Rie Miyata
ボーダー柄は割と見慣れているモチーフだけに、着こなしにあたっては、いくらか目新しさを盛り込むアレンジが大切になります。こちらのルックでは、ミニ丈のワンピースにシアースカートを重ねて、ややセンシュアルなサマーレイヤードに整えました。チェーンをバッグと靴に配して、グリッター感も添えています。全体を赤と黒でまとめた妖艶系ミックスコーデです。
夏にはマリンルックの印象が強いボーダー柄ですが、今回の着こなしが示した通り、バリエーションが格段に広がってきています。進化系のボーダー柄コーデは上品でフェミニン。「ガリャルダガランテ」の新作は着心地や質感もサマーコーデを助けてくれるから、夏本番を前にワードローブに迎えてみませんか。
Text / Rie Miyata
宮田理江
(ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター)
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。