FASHION JOURNALIST RIE MIYATA
TREND TIPS Vol.100
FASHION JOURNALIST RIE MIYATA
TREND TIPS Vol.100
涼やかな夏の装いから、秋モードへシフトしていく時期に意識したいのは「色」。秋に入っても、まだ暑い日が続くから、季節を橋渡しするようなカラーチョイスを心がけたいところ。さわやか色とあでやか色の両方を使いこなすカラーバリエーションが装いの大人感を濃くします。グローバルな着こなし上手たちの街角スナップを参考にしながら、ブルー、レッド、ピンクの新色が出そろい始めた「ガリャルダガランテ」のアイテムを上手にまとうコーディネート術を押さえていきましょう。
海や空を連想させる、きれいな色味のブルーで染め上げたタートルネックが装いをクールに見せています。ミニマルな仕立てのテーラードジャケットに、ブルーニットが絶好の差し色に。同じベージュ生地のスリットスカートと組み合わせたセットアップ。ベーシック色の上下は、まとまりすぎるところがありますが、差し色のおかげでムードチェンジに成功。あえて秋冬に投入するブルーは意外感も発揮してくれます。お仕事スーツの普段使いにも役立つタートルネック使いです。
ロングカーディガンはのどかな見え具合に映りやすいアイテムです。でも、このように鮮やかなレッドをあしらえば、パンチの利いたお出かけルックに早変わり。まるでロングドレスのように着こなしています。エフォートレスムードが持ち味のカーディガンは、穏やかなベージュやグレーが主流ですが、あえてヴィヴィッドカラーをチョイスすると、別格の着こなしに。正面に並んだゴールドボタンがアクセサリーのよう。カーデとは逆に、トップスはシンプルな黒で整えて、「赤×黒」のシャープなコントラストを際立たせています。
ピンクは甘く見えがちな色です。でも、このようなマニッシュなパンツで迎え入れれば、ピンクを大人が着こなしやすくなります。ヴィヴィッドなピンクでも浮いて見えないのは、柄ジャケットに柄Tシャツというプレイフルな組み合わせのおかげ。カラーパンツは秋ルックを盛り上げるキーピースに「当確」。それぞれの色が持ち味を発揮してくれます。華やぎを帯びたタイプでも、ジャケットは「きちんと感」を添えるから、全体が大人っぽくまとまります。
涼やかなブルー系グリーンは、残暑を乗り切っていくのを助けてくれそうな色合い。寒色系は秋の装いをすっきり見せ、顔周りをクールに演出したいときに使えます。
見た目の印象的な「袖コンシャス」なシルエットが立体感を生んで、1枚で着ても、存在感を発揮。両袖がボリューミーなので、ウエストが細く見えるという魅力的バランスも見逃せません。
デニムパンツで合わせても、ニットトップスの印象が生きて、ハイカジュアルのたたずまいに。ジュエリーのようなバッグで華やぎをプラスしました。
1枚目のストリートスナップのように、上からアウターを羽織ったときも、差し色効果を発揮してくれるから、ブルーのトップスはワードローブに迎える価値大です。
こちらのアイテムは昨シーズンに人気を集めたプルオーバーをさらにバージョンアップした品。袖先のリブ部分を長くして、ひじから手首にかけての表情を深くしました。
コンパクトな身頃が両袖とのバランスで、ボディの華奢感を引き出す仕掛け。晩夏からの着こなしレパートリーで重宝する立体フォルムが冴えるトップスは色物を選ぶと、手持ちのボトムスに今年らしい華やぎがプラスされます。
【FETICO】ハイライズデニム ¥36,300
【paco rabanne】バッグ ¥107,415
【ANNIKA INEZ】ツインフープピアス ¥30,800
【SOPHIE BUHAI】ラージシェルリング ¥99,000
レッドカラーのロングスカートは申し分のないあでやかさ。堂々とした着映えに導いてくれます。2022-23年秋冬はセンシュアル(官能的)でレディーライクなフェミニンムードがトレンドとして浮上してくるので、このようなスカートが1枚あれば、きっと重宝するはずです。
張り感のある立体的シルエットが優美なムードを醸し出してくれます。両サイドにポケットも用意されている気の利いたデザイン。量感が豊かだから、コンパクトなニットトップスとの相性が抜群。ウエストのくびれが引き立つ「砂時計」シルエットを描き出してくれます。
2枚目のストリートスナップのように、赤を主役にした着こなしは、黒をパートナーカラーに迎えると、全体が引き締まるうえ、あでやかさも備わります。フレアスカートに引き合わせたブラックトップスが、上半身をタイトな印象を際立たせてくれる仕掛けです。
ゆったりと曲線を描くドレープがノーブルな風情を印象づけます。生地を三重折りにしてあるので、程よい膨らみを帯びて、エレガントなたたずまい。裾広がりのAラインが優美な雰囲気を醸し出します。
こちらのニットトップスは鎖骨がきれいに見えるヘンリーネックが気品を感じさせます。自然と肌に沿うニットがコンパクトなシルエットを印象づけてくれます。ほのかな透け感を宿したシアーニットです。透けすぎないさじ加減が自在の着回しに誘います。
コットンとポリエステルの素材バランスがよいので、伸縮性に優れ、ボディになじむ着心地。シアー生地ならではのシャリ感が爽やかな着心地を引き出しています。
トップスの透け感を引き立たせるには、やや厚みのあるボトムスとのコンビネーションが効果的。こちらのフレアスカートは絶好の相棒ボトムスとなっています。
【2.718】ツイストハンドルバッグ ¥16,500 BUY
【SOPHIE BUHAI】ラージシェルリング ¥99,000
上手にピンクをまとうには、少しくすんだトーンが便利です。さめた風合いのピンクは、古着のような雰囲気で着こなせます。
こちらのスウェットトップスは控えめのストリート感を帯びていて、シーンフリーに着回せます。穏やかな色調のピンクは、かえって大人っぽさを漂わせてくれます。白いタートルネックにスウェットをレイヤード。さらに白系パンツで合わせて、落ち着いたツートーンの装いに仕上げました。
ウエアをマニッシュなテイストに寄せる一方で、バッグとシューズはエレガントにまとめ、「服×小物」のジェンダーミックスに整えるのが大人流のアレンジです。
2000年頃のおしゃれを復活させた「Y2K」のトレンドは、Z世代を中心に盛り上がっていて、ピンクは人気カラーとして復活しています。大人が取り入れるのなら、幼く見せない一工夫が肝心。3枚目のストリートスナップと同様に、メンズ風アイテムで生かすと、甘さをトーンダウンできます。
左のネック近くに手書きの「GG」ブランドロゴをワンポイントで刺繍。控えめディテールは、ほんのりと大人の遊び心を感じさせます。自在の着こなしパターンに組み入れられやすいマルチプレーヤーです。
糸の状態で色に染めるのではなく、編み上がった製品を染める手法を使って、ニュアンスを宿した質感に仕上げました。中肉厚のスウェット地は、どこか懐かしげな風合い。装いに適度なレトロ感を寄り添わせてくれそうです。
シルエットはオーバーサイズめで、ゆったりした着心地。別のプルオーバーに重ねてももたつきません。タートルネックのほか、シャツやボウタイブラウスなどとのレイヤードを組みやすいスウェットです。写真のようにボトムスと色を合わせたサンドイッチ式のツートーンはきれいめにまとめやすいスタイリングと言えるでしょう。
タックチノスラックス ¥24,200
【PIPPICHIC】ポインテッドトゥパンプス ¥35,200 BUY
オイスターパールピアス ¥26,400
【SOPHIE BUHAI】ラージシェルリング ¥99,000
「ブルー、レッド、ピンク」は大人にとっても使い甲斐のある色です。アウターが出番を迎える、秋からの装いに差し色として投入したり、レディーライクなムードづくりに役立てたりと、使い方のバリエーションは様々。「ガリャルダガランテ」の新作をきっかけに、おしゃれのカラバリを増やすスタイリングにトライしてみませんか。
Text / Rie Miyata
宮田理江
(ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター)
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。
Special Thanks!
大野ウィリアム桂充
フォトグラファーとしてアパレルや芸能を中心とした撮影を行なっており、現在6ブランドを担当。パリコレやNYコレクションのストリートスナップ撮影も行なっている。
Instagram : @wko_.16
HP : https://wkono16.wixsite.com/mysite-1