FASHION JOURNALIST RIE MIYATA
TREND TIPS Vol.101
FASHION JOURNALIST RIE MIYATA
TREND TIPS Vol.101
ワンピースはゆったりめを選べば、風が吹き抜けるので、残暑の時期も1枚でさわやかに過ごせます。ボディを締め付けられないから、着心地はストレスフリー。しかも、華やぎやフェミニンムードを演出できるのは、エレガントな持ち味のワンピースならでは。欧米のおしゃれスナップでは様々なシルエットや素材を生かした巧みな着こなしが目につきます。今回は「ガリャルダガランテ」のセカンドライン「GALLARDAGALANTE NAVY(ガリャルダガランテネイビー)」のワンピースを通して、ノースリーブ、ボリュームスリーブ、ロングスリーブという袖シルエットごとの着こなしテクニックをご案内します。
見慣れたウエアだけに、ワンピースにはオーソドックスなイメージが強いようです。でも、スタンダードなフォルムにアレンジを加えたタイプも相次いで登場しています。たとえば、こちらはサテン地風の微光沢を帯びた生地で仕立てた袋状のサックドレス。ゆったりとした着心地が持ち味ですが、ディテールに「変化あり」です。
サックドレスの胸元は大きく開いて、ネックラインにギャザーを寄せています。デコルテゾーンの開きが大きいから、多彩な重ね着が可能に。白のモックネックを生かして、スポーティなムードを加えました。「ワンピース=エレガント」の常識的イメージをポジティブに裏切るコーディネート。さらに足元にはロングブーツを迎えて、凜々しい雰囲気を投入。花モチーフの大ぶりイヤリングでアクセントを添えています。
上品で落ち着いた雰囲気も、一般的なワンピースのイメージでしょう。ただ、シルエットや着こなし次第では、ぐっとフェミニンに仕上げる選択肢もあります。ほのかに透ける生地や、短めの着丈を選べば、控えめのセンシュアル(官能的)感を漂わせることが可能です。
ヌーディな色合いのチュール素材をふんだんに用いたミニ丈ワンピースはまるで妖精のよう。チュチュをまとったバレリーナの雰囲気も帯びています。同じベージュ系のセカンドスキン風トップスに重ね着。透け感を適度にコントロールしています。メッシュ仕上げのロングブーツでほんのりフェティッシュなムードに。小ぶりのバッグが華奢感を引き出し、イヤーカフが顔周りを華やがせています。
サステナビリティーやSDGsがファッションを変化させつつあります。地球にやさしい素材を使うことをはじめ、リメイクやアップサイクルを打ち出すアイテムも増えてきました。クラシカルなイメージが強いワンピースにも、このような印象を盛り込む新手法が相次いでいます。
こちらのロングドレスは、何種類もの異なるユーズド系素材を縫い合わせて仕立ててあるようです。文字プリントのおかげで、スポーティな印象を帯びながらも、グラマラスなたたずまい。床に届くほどのマキシ丈で、落ち感も際立たせました。マルチカラーが華やかなので、1枚で着ても、存在感をしっかり発揮。黒バッグと黒ブーツで装いを引き締めているところも抜かりがありません。
いろいろなワンピースの中でも、シャツワンピースは使い勝手に優れています。理由はシャツ襟特有の「きちんと感」。ゆったりめのシルエットでも、節度を保ちやすいから、着心地と気品の「いいとこ取り」がかないます。
こちらのノースリーブ・ワンピースは深めのVネックがすっきりとした表情を印象づけてくれます。「ガリャルダガランテ」のセカンドライン「GALLARDAGALANTE NAVY」の自信作です。
普通のノースリーブよりも肩周りが落ち着いて映るのは、肩にタックを施してあるから、ショルダーラインを自然にカムフラージュしてもらえるスグレモノのディテールです。肩を覆うスリーブが二の腕を細く見せる効果も期待できます。
深めのVネックが首を細長く演出し、全体をシャープに見せています。ゆったりとしたフォルムなのに、すっきり見える隠し技があちこちに仕込まれた上出来ワンピースです。ボディを締め付けないサイジングだから、自然に体型をカバー。体の輪郭を拾わないシルエットです。
「ガリャルダガランテ ネイビー」はオンラインストアの限定ラインです。ベーシックワードローブにプラスするだけで「今」のコーディネートに仕上がるアイテムが充実。こちらのワンピースもオンラインストアの限定商品です。
色はグレー、イエロー(写真の色)の2色から選べます。どちらも穏やかでノーブルな色味。ストレスフリーな着心地にぴったりのカラートーンです。
中肉厚のポリエステルが主体の素材は、さらりと心地よい肌触り。適度な伸縮性を備えているのは、レーヨン17%、ポリウレタン5%との混紡になっているおかげ。しなやかに体に寄り添ってくれます。自宅で手洗い可のイージーケア商品です。
たっぷりのドレープを配してあるから、布の中でボディが泳ぐよう。付かず離れずのエフォートレスな着心地が気持ちもほどきます。ストレスフリーで過ごせるリラックス服なのに、品格もちゃんと備わって映るから、シーンフリーで着こなせます。
【PIPPICHIC】エコストレッチショートブーツ ¥47,300BUY
【ANNIKA INEZ】ツインフープピアス ¥30,800
袖にボリュームや表情を持たせる「袖コンシャス」の人気が続いています。勢いが衰えない理由は、エレガントに映るのに加え、華奢見え効果が大きいから。腕を細く見せてくれる点で頼もしいディテールです。
こちらのロング丈ワンピースは、朗らかに膨らんだ両袖が目を惹きます。華やかな量感が逆に腕やボディの細感を引き出しています。
デコルテゾーンを四角く囲むスクエアネックがクールな印象を演出。全体的にストンと落ちたシルエットは、スラリとした縦長イメージを際立たせます。クチュール的なフォルムが静かな気品を漂わせました。
こちらも「ガリャルダガランテ ネイビー」のオンラインストア限定商品です。色はカーキ、ブラック(写真の色)、ベージュと、いずれもベーシックで使いやすい3色が用意されています。自宅で手洗い可の扱いやすさも見逃せない長所です。
エレガントな風情が備わっているのは、程よいドレープをあしらってあるから。両袖に施したタックは着痩せメリットも生んでいます。
滑らかな風合いのコットンポリエステル素材は軽やかにまとえて、ボディにまとわりつきません。背中側の裾には膝のあたりまでセンタースリットを入れてあるので、足さばきも楽々です。
主張しすぎないシルエットだから、小物や靴の選び方次第で、望み通りのムードに整えられます。デコルテをきれいに見せやすいネックラインなので、秋からはネックレスやスカーフなどを添えるアレンジも楽しめそうです。
【SOPHIE BUHAI】ラージシェルリング ¥99,000
1枚の布で仕立ててあるだけに、ワンピースを着る際は、シルエットにめりはりを加えるスタイリングが肝心です。ベストでウエストマークしたり、レイヤードで工夫したり。でも、ワンピースそのものにめりはり演出が組み込まれているタイプなら、ノープランでまとえます。
こちらのマキシ丈ワンピースは長袖で上品ムードが際立ちます。こちらも「ガリャルダガランテ ネイビー」のオンラインストア限定商品です。
ほっそり感が印象的なのは、ウエストまわりにぐるっとシャーリングを施してあるおかげ。シェイプの利いたシルエットに仕上がりました。ワンピース自体にあしらってあるディテールだから、着こなしの知恵要らずで、そのまま着るだけで完成形になるものうれしいところです。
この秋冬に盛り上がるのは、ウエストを強調する、フェミニンなシルエットです。コルセットやベルトはちょっと窮屈なところがありますが、伸縮性を持つひだを寄せたシャーリングは締め付け感がありません。ウエストの上下にふんわりと膨らみを持たせてあるので、めりはりがいっそう際立っています。
ネック正面からウエストにかけて、繊細なギャザーが施してあるのも、ノーブル感が薫る理由です。ウエストのシャーリングと響き合って、優美な表情をまとわせています。
実は、背中側は深Vネック仕様になっていて、アイキャッチーなバックスタイルに仕上がっています。ゆったりしたドレープの効果もあって、自然な抜け感が漂う仕掛けです。
色はベージュとブラックの2色が用意されました。クールなブラック、上品なベージュは、どちらも出番を選ばない色です。自宅で手洗いOKなので、ヘビーローテーションが可能になります。
さらりとした質感のコットンポリエステル素材はボディにまとわりつかないから、さわやかな着心地。厚みは抑えてあるので、アウターとのレイヤードもスマートに決まります。
【PIPPICHIC】ポインテッドトゥパンプス ¥35,200BUY
「GALLARDAGALANTE NAVY」の新作ワンピースはノースリーブ、ボリュームスリーブ、ロングスリーブと、それぞれ異なる魅力を備えています。ワンピース姿にアクセサリーやバッグ、ブーツで変化を加えると、着回しレパートリーが格段にアップ。オールシーズンで使えるから、ワードローブに迎えて、損がありません。オンとオフを兼ねる着方ができるワンピースの魅力を、確かめてみませんか。
Text / Rie Miyata
宮田理江
(ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター)
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報などを発信。リアルトレンドを落とし込んだ着こなし提案も得意とする。コンサルタントとしてのビジネスも手がけ、企業向け提案、セミナー、イベント出演も多い。
Special Thanks!
大野ウィリアム桂充
フォトグラファーとしてアパレルや芸能を中心とした撮影を行なっており、現在6ブランドを担当。パリコレやNYコレクションのストリートスナップ撮影も行なっている。
Instagram : @wko_.16
HP : https://wkono16.wixsite.com/mysite-1