松井:今季は、“呑気”や“楽観的”という意味を持つ「Optimistic」(オプティミスティック)という言葉をコレクションのメインテーマとしています。マイナスなイメージではなく、コロナで制限された生活を送っている、そんな今だからこそポジティブなメッセージを贈りたいと思いこの言葉を選びました。
堀:あと、「心躍る」もキーワードのひとつですよね。ラシットのバッグを持って、少しでも気分を上げてもらいたい、楽しい気持ちになってもらいたいという想いがこもっています。
山口:今回のコレクションはデザインや素材にワクワクする部分が、色濃く出てますよね。
松井:そうですね。新しいフォルムのものに挑戦をしたり、新色が登場したりと、「心躍る」要素が散りばめられていると思います。
松井:私のおすすめは「TSUBOMI」です。
堀:つぼみが開いていく様をイメージしたフォルムが新鮮なデザインですよね。
松井:トレンド感があり、ラシットらしくちゃんと機能性を持たせるにはどうしたらいいのかを試行錯誤して完成したバッグです。あと、こういう面白い形のバッグを楽しく持ってもらいたいっていう遊び心も。
山口:アイデアのもとは前シーズンのエプロンショッパーなんですよね?
松井:そうそう。エプロンショッパーを作ったときに、もう少し小さいサイズも欲しいかもとか、ハンドルをクロスして持った時に形がもっと綺麗だったら良さそうとか、いろいろな声があがったので、この意見を活かして新しいものが作れないかな……と思ったのがデザインのきっかけです。ワンハンドル型でも、直接バッグの中にアクセスできるファスナーを付けたりと使いやすさは忘れていません。
堀:この形のまま物が出し入れできるのって嬉しいですよね。
松井:バッグって、目で見て楽しむだけのものではなくて使うもの。お客様がどうしたら使いやすいのかを考えて作ってるので、アクセスのしやすさっていうのはかなりこだわっています。
山口:試作も繰り返していましたよね。だからこそ完成品は手に持った時にすごく心地が良いんですね。
- TSUBOMI
- アイテムNo.
CE-876 - ¥19,800 ( 税込 )
- DETAIL
堀:私は「コットンジャガード」のミニショッパーですね。この形は新作です。コットンジャガードは春夏に「ベージュ」を出していたんですが、もう一色定番になる色が欲しいなと思い、キレイめに持ててクールな、スタイリングにも合わせやすい「グレー」を作りました。
松井:ストラップも、このためにオリジナルで作った赤テープを使い、かっこいい感じに仕上げています。
松井:あとショッパーバッグは直線的な形が特徴。ラシットって丸みのあるデザインが今まで多かったんですけど、今の時代観を取り入れたくてこのデザインにしました。
山口:小さいのに底板が入っていて、持った時にちゃんとキレイな形を保つのもこだわったからこそですよね。
- ミニショッパー
〈コットンジャガード〉 - アイテムNo.
CE-104 - ¥22,000 ( 税込 )
- DETAIL
山口:私は「ソフトレザー」シリーズのミニショルダーです。柔らかいだけじゃなくてすごく軽くて持ちやすいんです。カラーも可愛いですよね。
堀:コーラルレッドというカラーで、今季のトレンドとしてオレンジ味のある赤や深い赤などをよく見かけるので、ラシットでもチャレンジしてみました。持ってみると馴染みの良い色なんですよ。
松井:この色すごく印象的ですよね。是非持ってもらいたいよね。
山口:いつものスタイルにも合わせやすいと思います。あと、バッグ自体はシンプルな形なのですが、片側にナスカンが付いていて、それを取り外してクラッチ風に持つのも素敵なんですよ。
堀:表にモノグラムが入っていないバッグでも、「ラシットだから良いよね」ってお客様が安心感を持っていただけるような、無地のデザインも増やしていきたいと思っていて。
あと、ソフトレザーシリーズはすべて日本製。品質のよい姫路の牛革を使っています。
山口:柔らかくてなめらかなレザーの肌触りにはこだわりました。ただ、ある程度レザーの厚みもないとバッグとしての機能性が落ちることがあるの
堀:2万円ほどで手にとっていただけるよう価格もかなり頑張りました(笑)。上質なレザーを堪能していただけるアイテムなのでいろいろな人に持ってもらいたいです。
- ソフトレザーミニ
ショルダーバッグ - アイテムNo.
CE-111 - ¥20,900 ( 税込 )
- DETAIL
松井:素材開発にも力を入れていますね。バリエーションは1、2年前からすごく変わりました。売り場に出すときに「心躍る」ものでないと、スタッフの心も、お客様の心も躍らないじゃないですか。なので、まずはお店を選べる楽しさのある場所にしたいなと。それに気付くヒントをくれたのが、春夏で登場した「コットンジャガード」だったんです。
堀:春夏からコットンジャガードを展開して、ショップの雰囲気がすごく変わったんです。お客様からの評判も予想以上に良くて、「お客様が求めていたのはこういう物なのかな」と感じました。この経験もあって、無地やレザーなどいろいろな素材をこだわって作っていきたいなと。
松井:その上で、新しさだけではなく、A4サイズが入る・肩にかけられる・ポケットが欲しい・ショルダーが欲しいなどお客様のニーズと、ラシットの新しい提案がマッチしたものを作りたいですよね。
堀:ラシットが追求しているのは、お客様の日常に馴染む「いつものバッグ」であること。ドレスアップして持つバッグというよりは、デイリーで活躍できるもの。そこからブレないように、「機能性」や「持ちやすさ」には今後もとことんこだわって物作りをしていきたいと思っています。
松井:一応トレンドカラーは意識しているのですが、それをそのまま落としてしまうと使う方は持ちづらいなと思うので、ラシットらしく解釈をして取り入れるようにしています。
山口:合わせやすいようにスモーキーなニュアンスをつけていますね。
堀:小さいバッグであればビビットなカラーを採用することもあるのですが、基本はフィルターをかけたような絶妙な色合いにしています。バッグとして持ちやすいカラーでないとな、と。
松井:トレンドを色で落とし込んだりしているのですが、あくまでもエッセンスとして。“いつものバッグ”になれるよう、毎シーズンの新色も、新しいけど合わせやすいカラーリングを意識しています。
松井:「今日はどのバッグを持って行こう……」と悩んだ時にこそ、1番に手に取ってしまうバッグがラシットになったらいいなって思ってるんですよ。
山口:日常の一部のように感じていただけたら嬉しいですね。
堀:以前お店で接客をしていた時に、モノグラムだから柄のお洋服に合わせられない。色も抑えなきゃいけないってお客さまがおっしゃられていたのですが、ラシットの柄って均一に柄が並んでいるので意外とお洋服を選ばないんです。
山口:柄や色ものをお洋服と合わせても大丈夫? という不安は実際にバッグを合わせてみると払拭されていきますよ。お悩みの方は、店頭でスタッフがコーディネートづくりのお手伝いをいたしますので、お気軽にご相談くださいね。
堀:アイテムの生地にはコットンジャガードを選んでいるのですが、じつはバッグ用で生地開発をしていたときに「インテリアとしてあっても素敵な生地だよね!」という話が出て。それがきっかけにもなったかたちなんです。
山口:他にもいろいろと構想があるので、お家の中に置いてもらえるアイテムをもっと作っていけたらと思っています。
松井:あとは、日本製にこだわった商品開発ですかね。
最近は国内でほとんどの商品を生産していて、今季でいうと刺し子のバッグと尾州産のストールなど、日本の伝統的な製法や職人さんのこだわりなど、大事にものづくりをしていくことに取り組んでいます。
松井:まずはラシットの代表ともいえるオリジナルのナイロンジャガードではないでしょうか。軽くて耐久性もあり、高密度な織りで仕上げたからこそ生まれる上品な光沢感のある素材なんです。
ラシットのデザインに携わるようになって、改めてナイロンジャガードの魅力を感じています。
堀:そしてブランドが始まって20年以上、たくさんのお客様に愛していただいたのが「モノグラム」ですよね。ラシットのアイコンでもあり、持つ人の日常に溶け込める唯一無二の存在なのかなと。
山口:こういうふうに、使う方の生活の一部となり、パートナーのような存在になるバッグを作りたいという想いで私たちはものづくりに取り組んでいるんです。
松井:それを叶えるために、使う人の立場に徹底的に立って考えた機能性、上質な素材、気の利いたデザインがラシットの魅力でありたいなと思っています。