胸元で優美な弧を描くノーボタンの前立てと、シャープな縦長のシルエットが、凛とした佇まいを後押しするジャケットは、20代の頃から愛用してきたデザインをブラッシュアップさせたもの。「羽織るだけで身体のラインがぐんと美しく映えるので、是非袖を通してみて欲しいです。私は肩掛けで着るつもり。インにはボウタイブラウスももちろん素敵ですが、白いTシャツ＋黒のミニスカート、足元は白ソックスに厚底ローファーで着こなすのが気分です」。

ハイウエストのテーパードパンツは、あえてジャケットとは素材を変え、艶やかな光沢感のある素材を使用。前にも後ろにもセンターシームを入れ、縦に長いラインを強調する美しいシルエットに仕上げた。「ヒップはツンとアップして見えつつ、腿周りはゆったりしていて、着心地もコンフォタブル。華やかな席ならハイヒールを合わせて、デイリーに着るならボリュームソールのローファーでと、合わせるシューズでイメージが変えられます」。

存在感のあるボウにモード感が漂うブラウスは「ずっと欲しかったけれど、気に入るものがなくて手を付けていなかった」念願のアイテム。拘ったのは、ボウのボリューム。シアーな黒と刺繍で表現したドット柄、素材によってボウの長さや厚みを変え、同じように量感が出るように調整。単色ブラックは生地自体にハリ感があるので芯は入れず、ボウを10㎝ほど長く設定。生地に落ち感のあるドットは二枚仕立てにし、芯を入れることで立体感を出す工夫を施した。「私自身、蝶々結びが苦手なので、布を二つに折って輪に通すだけでボウが綺麗に立つところが、すごく便利。ボウをとってスタンドカラーにしても楽しめるし、ボウを肩に掛けても素敵と、何通りにもアレンジできるんです。ハイウエストのブラックのパンツにインして、キリっと着たいですね」。

フォーマルな場にも着ていけるミラノリブのニットドレスは、ボディラインを美しく描き出すフォルムと、バックスタイルが丸く開いたセンシュアルなデザイン。「ニットドレスというと、緩いラインのものが多いですが、これはしっかりと身体のメリハリが出るように仕立てました。なだらかな肩のライン、スカートの切り替えしの場所など何度も作り直して、女性の持つ丸みとシャープさの両方をうまく表現できた自信作です。鎖骨に沿うボートネックに対して、背中が丸く開いているというギャップも遊び心があって、気に入っています。大人の女性にも楽しんでいただけるよう、肌の見え具合やカッティングにはものすごく拘ったので、臆せずトライしてみて」。