vol.03
COLUMN 'ギフト'
今年は誰にとっても色んな意味で特別な年になったことだろう。
みんなが一度立ち止まり、今の自分を、将来の自分をしっかり思う時間ができた。
というか、毎日を忙しく過ごす私たちに、「一度ちゃんと考えなさい。」と時間が出来た様な気さえする。
自分にとって本当の幸せは何なのか、
どんな風に年を重ねたいのか、
大切な人は誰なのか。
家族に友人に恋人、こんなに会いたいのに会えないことがこれまであっただろうか。
不安な時は大切な人と寄り添いたい。
嬉しい時も大切な人とその気持ちを共有したい。
一緒にいたい。
友達に嬉しいことが起きたなら一緒になって大喜びしたいし、
家族が困っている時は支えになりたい、
いつも支えてくれている恋人には感謝の気持ちを伝えたい。
伝えたい気持ちは山々でも、
照れくさかったりでなかなか伝えられなかったり、
伝えそびれていたり、後回しにしてしまったり…。
そして、離れているともっと伝えるのが難しかったりする。
けど、絶対に〝優しい気持ち〝は伝えたほうがいい。
良いに決まっている。
言わずに、伝えずにいたら、
いつか、何もしなかった今日を後悔するかもしれない。
そんな時、ギフトが私たちの背中をそっと押してくれる。
ギフトと一緒なら手紙もメールも照れくささが緩和される気がするのだ。
ギフトがメインに見えるかもしれないが、
贈った方からするとメッセージが主役なこともある。
もちろんギフトの後ろにはストーリーがある。
それが貰い手にとってはとても嬉しい。
自分のことを思ってくれたからのセレクト、
選んでくれた時間や気持ちが愛おしいのだ。
ギフトを選んでいる時、メッセージを添えている時、
その瞬間はあなたのことしか考えていない特別な時間。
ギフトにはそんな時間が乗っているのだ。
そして送り手の本音がメッセージにある。
一緒に喜んでいる気持ち、
会いたい気持ち、
心配している気持ち、
いつもありがとうと思っている気持ち。
普段口に出すのが照れくさい言葉を、
ギフトの力をかりて伝えてみよう。
優しい気持ちはいくら伝えたって減るものじゃない。
むしろ伝えれば伝えるほど増えるし広がっていくもの。
そんなものを出し惜しみするなんて勿体ない。
今ふと思い浮かんだあの人、
ずっと心の中にいる人、
連絡しようしようと思って今日まで連絡できずにいる人。
そんな大切な人のことを想像して、
ギフトを選んで、言葉を選んで、
気持ちを贈ろう。
Text MIRAI MATSUDA
Photo YURI HANAMORI
Model NAHO